【日本ハム】清宮、人生初代打出された「今の自分考えて当然」

スポーツ報知
7回1死二塁、代打を送られてベンチで戦況を見つめる清宮(手前右は中田、左奥は栗山監督=カメラ・佐々木 清勝)

◆日本ハム0―3楽天(18日・札幌ドーム)

 チャンスで響き渡った登場曲「スター・ウォーズのテーマ」は、途中で打ち切られた。2点を追う7回1死二塁。左腕・高梨との対戦へ、ネクストバッターズサークルで待機していた清宮に両打ちの代打・杉谷が告げられた。「左打者を抑えるための中継ぎというところで、全然、代打を送られても不思議じゃなかった。今の自分から考えてみたら、当然のこと」。怪物は冷静に言葉をつないだ。

 腹膜炎から復帰直後の2軍戦で、予定通り1打席に立った後に代打を送られたことはあったが、試合状況によって代打を送られたのは1、2軍の公式戦で初めて。早実時代の公式戦でも記憶にないという。それでも「(打つ)可能性があるとしたら、普通に考えて拳士さん。当然かな」と気落ちした様子は見せなかった。

 一発が出れば同点の場面で、栗山監督は勝利への最善手を打った。清宮は先発の左腕・辛島に対し、第1打席は低めのスライダーに空振り三振。第2打席は甘く入った変化球を打ち損じ、中飛に倒れた。指揮官は「確率を考えて勝つためにやっている。幸太郎も含めて、高梨に(先発の)辛島からつないだ時の見え方を含めて、右の方が確率が高い」。迷いはなかった。

 2打数無安打で2試合連続無安打に倒れ、打率は1割6分7厘まで落ちた。だが、清宮は何とか現状を打破しようともがいている。試合前には自らロングティーを志願。その理由について城石打撃コーチは「毎日試合に出る中で、練習のスイング量だけでは足りない」と明かす。連戦が続く状況で疲労もたまる中、意識的にバットを振り込むことで苦境を脱しようとしている。

 打線が5安打に抑えられ、連勝は2でストップ。清宮は「あまり気にしてないです」と話したが、悔しくないわけがない。この日味わった屈辱は、打席で晴らすしかない。(小島 和之)

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