【中日】松坂“2”刀流、プロ初2安打&2勝目…森監督の“ノルマ”も達成

スポーツ報知
4回無死、松坂が左前安打を放つ(カメラ・小梶 亮一)

◆中日6―1阪神(20日・ナゴヤドーム)

 中日・松坂が阪神相手に6回1失点と好投して2勝目を挙げ、チームを4位に浮上させた。2度の3者連続を含む今季最多7三振を奪った。打ってはプロ初の2安打。巨人・坂本勇から譲り受けたバットで、天性の打撃力を見せつけた。

 快音を残して打球が左前に弾むと、松坂は白木のバットを放り投げた。11~13日の巨人戦(東京D)の際に、坂本勇から譲り受けた“相棒”だ。「振りやすかった。僕はバランスのことは分からないですが、他の選手も『勇人のは振りやすい』って言いますね」。4回、今季8打席目で初安打。5回2死一塁でも左前打で5点目に絡んだ。国内での安打は06年6月9日の阪神戦(甲子園)でのプロ初本塁打以来、4363日ぶり。1試合2安打はメジャー時代を含めても初だ。

 13日の巨人戦で右ふくらはぎが張って3回途中で降板した。そこから移籍後最も短い間隔の中6日で先発。練習からテーピングを欠かさずサプリや水分補給の方法も変えた。不安を拭いきれないところで初回先頭の植田がセーフティーバントを狙ってきた。「イラッとしましたね。でも1球でアウトになってラッキーと切り替えました」。7度のゴールデン・グラブ賞を誇る名手は投ゴロに仕留めた。

 6回1死二塁、打席に福留。追い込んでから捕手の内角直球のサインにうなずいた。しかし投げたのはツーシーム(シュート)。「フロントドアを投げることを頭の中で決めてました」。内角ボールゾーンからストライクゾーンをかすめる球で腰を引かせて見逃し三振。福留を3三振に仕留めた。

 森監督は開幕前「打撃がいいから獲った。期待する勝ち星は2勝」と話していたが、いずれのノルマも達成。松坂はお立ち台で「チームは遠征に出ますが、勝ってナゴヤドームに戻ります。僕はそこで投げます」と次回登板は中10日のオリックス戦と予告した。“二刀流”が、交流戦でも猛威を振るう。(田中 昌宏)

野球

×