【楽天】今江年晶、2000安打&息子とプロ共演へ父ちゃんがんばる

スポーツ報知
色紙に好きな言葉として「頂点」と書き込んだ今江

 楽天の今江年晶内野手(34)が、25日までにスポーツ報知のインタビューに応じた。わずかに規定打席に届いていないが、打率3割、チーム2位の18打点。好調を維持するベテランは、打撃スタイルの大きな変更を明かした。そして、残り416安打としている2000安打、現在中学1年の長男・陸斗くんとのプロでの共演という夢を語った。(取材・構成 山口 泰史)

 開幕直後は完全なレギュラーではなかったが、5月中旬以降は打線に定着。勝負強さを発揮している。

 「開幕直後は、状態はそんなに悪くはなかったんですけど、結果が出ないなという感じが続いた。試合に連続で出られるようになってから感覚は悪くなかったので、結果がついてきたのかなという感じです」

 今季はバッティングスタイルを大きく変えたという。

 「ボールを上からしっかり叩いていこうというイメージだったんですけど、そうすることによって(体が前に出て)ボールとの距離が詰まってしまうんですよ。なので変化球とかはもう当たらないんですよね。それを真逆に、タイミングを取るときに後ろにいくぐらいの感じで距離を取り、叩かずに下から打つような感じでいくことによって、あんまり前にいかず、変化に対応できるようになったというのはあります」

 スタイル変更は、直感に近い思い切りだった。

 「静岡でカープとやった1戦目(3月17日)、ピッチャーは岡田かな。1打席目2―3と追い込まれて、ランナー一塁で、最後スライダーを空振りして三振ゲッツー。『これはあかんわ』『なんでこうなんねんやろ』と思い、次の打席のときに、すごい自分を後ろに下がるように、オープン戦なんでやってみようと思って、やったらヒット出たんですよ。結局3本打ったんかな。そこからスイング軌道を練習して、それで変えたって感じですね。僕はシーズン中でも、1試合の中で1打席から4打席全部打ち方変える人間なんで、全然苦じゃないです」

 ここまで通算1584安打。2000本安打への思いは強い。

 「2000本打ちたいです。タイトルを取ったことないんで、全部が中途半端なバッターなんで、自分の名を刻めるとしたらそれかなと。なかなかどころか、かなり難しい。あの福浦さん(ロッテ)ですら、あと何十本なのに、あんなに大変そうにしてる。僕も若いころから出てたんで、普通にいったらいけるやろという感覚だったんですけど、やっぱりチーム状況であったり、けがであったり、そういうのもある。でも、打ちたいですね」

 長男・陸斗くんの気づかいは、心に響いている。

 「中1なんで、分かるどころか、気を使ってくれる。小学校5、6年生のときに去年、一昨年で、全然ダメだったんで。そのときでも、本当に気を使ってくれてんなってヒシヒシと感じるし、嫁さんもうまくフォロー入れてくれていたと思う。5、6年生で少年野球やっていたら、周りの友達に『お前の父ちゃんダメだな』とか言われると思うんですよ。ゲームとかもあるじゃないですか。でも、気を使って、何も言ってこなかったですね」

 陸斗くんのためにという思いと同時に、大きな夢もある。

 「やっぱ息子にとって、いつも自慢できるお父さんであり、プロ野球選手でありたい。野球選手の息子って、周りから見られ方があると思うし、息子は息子でそのプレッシャーの中、やっているんで大変だと思う。でも僕が頑張ることによって、息子にもいい刺激になって、何とか頑張って、息子と一緒にプロの世界でやれないこともないので…。あとはそれを励みに2000本とそれを励みに頑張ります」

 ここまで、チームの状態が上がってこない。

 「ウチの場合は前半戦、本当にかみ合わなかった。かみ合ってくればガンガン勝っていけるような力も持っているし、チーム力もある。まだ交流戦もいってないですしね。最終的にどうなってるかだと思う。今、ちょっと良くなってきている。まだ全然間に合うと思います」

 上がっていくためには、今江のバットが不可欠だ。

 「今年は今のところ勝負所で打てている。まあ、それが自分の持ち味でもあるんで、そこを1年間通してやっていければ、いいところにいけるんじゃないかなと思っています」

 ◆今江 年晶(いまえ・としあき)1983年8月26日、京都府生まれ。34歳。2000年、PL学園2年夏に甲子園出場。01年ドラフト3巡目でロッテに入団。05、10年の日本シリーズでMVPを獲得。05年に三塁手としてベストナイン、05年から4年連続でゴールデングラブ賞を受賞。06年のWBCでは世界一にも貢献した。15年オフにFA宣言し、楽天入り。180センチ、89キロ。右投右打。年俸2億円。

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