【楽天】今江、ド根性V三塁打

スポーツ報知
7回1死一、二塁、左中間へ2点適時三塁打を放ち果敢にヘッドスライディングする今江(左は松田=カメラ・岩下 翔太)

◆ソフトバンク4―8楽天(27日・福岡ヤフオクドーム)

 楽天・今江が同点の7回に代打で登場。モイネロから決勝の2点適時三塁打を放った。前日(26日)に代打でソロアーチを放ったモイネロと連日の対戦。左かかとに痛みを抱え、ベンチスタート。歩くのもままならない状態だったが、ど根性で三塁まで激走した。最下位に沈むチームを鼓舞し、勝負の交流戦へ弾みをつけた。

 痛みに耐えて打ち、そして走った。同点の7回1死一、二塁。代打・今江はモイネロの外角低めの129キロチェンジアップをはじき返した。左中間を真っ二つに割る。34歳は激走し、気合のヘットスライディングで三塁に突っ込んだ。勝ち越しの2点適時三塁打だ。「あの1打席に強い気持ちをかけて臨みました。足の状態も良くなくて、ベース上で止まれないので、倒れ込んだ感じになりましたけどね」と笑顔で振り返った。

 ギリギリの状態だった。26日にもモイネロからソロを放ったが、2月のキャンプから違和感を覚えていた左かかとの痛みはピークに達していた。球場を引き揚げる際には足を引きずりながらゆっくりとしか歩けず、宿舎に戻ってもアイシング、電気治療と手を尽くした。「痛み止めを使って効くぐらいなら、スタメンで出ている。試合に出たら、痛いとか言ってられない」と集中力を高めた。

 この日も試合前は全員で行う準備運動にすら参加できず、フリー打撃を行っただけ。梨田監督も「足が痛いはずなのに、よく打ってくれた。歩いている時の方が痛そうなので、ずっと走らせておこうかなと思う」と冗談交じりにたたえた。

 楽天に移籍後、2年間はけがに泣かされてきた。負傷防止のため打席に立つ際には肘、前腕、頬とありとあらゆる場所にプロテクターをつける。オープン戦でお立ち台に立った際には「シーズンでも働け」とヤジを飛ばされた。「一度でも多くお立ち台に立つ」と強く決意し、この日で今季早くも3度目。打率3割1分1厘と結果を残し続ける。「自分の仕事をするだけ」と慣れない代打でも6打数4安打と勝負強さを見せる。

 チームは5位・ロッテに4・5ゲーム差と離され、最下位で交流戦に突入する。交流戦通算294安打は歴代4位の“交流戦男”。阪神・鳥谷の持つ歴代1位の318安打を視野に入れるが、まずはチームの勝利だ。「交流戦が終わった時には上にいれるように」と意気込んだ。(安藤 宏太)

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