【阪神】鉄人・衣笠が認めた鳥谷の“野球好き”「休んだ方が居場所がなくなると思いますから」

スポーツ報知
9回無死一塁、ベンチで試合を見つめる鳥谷(中、左端はメッセンジャー、右から福留、伊藤隼)

◆日本生命セ・パ交流戦 阪神0―1ソフトバンク(29日・甲子園)

 阪神・鳥谷敬内野手(36)はソフトバンク戦(甲子園)で出場機会がなく、1年目の2004年9月9日から続いていた連続試合出場が、プロ野球歴代2位の「1939」で止まった。チームは交流戦の開幕戦に14残塁の拙攻で完封負け。連勝は5で止まった。

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 鳥谷が通算2000安打を達成する直前の昨年8月、都内で衣笠さんの話を聞く機会に恵まれた。「成績、契約を考える人は連続出場とかはしない。よく違和感とか言うでしょ。休みながら(体調を整えて)成績を残した方が間違いない。鳥谷君はそれだけ野球が好きで、試合に出たいということだろう」。元祖鉄人は昔気質(かたぎ)の後輩を心から認めていた。

 この話を鳥谷に伝えると、うなずきながらも持論を口にした。「自分の場合は休まないよりも、休んだ方が居場所がなくなると思いますから」。連続試合出場を続け、盤石の地位を築いたように見えるが、本人は常に危機感を抱えていた。記録に終止符が打たれる覚悟を持ちながら、日々の努力や準備を続けていたのだ。

 ベンチスタートの中でも、連続試合を継続することは、本人も複雑な心境だったに違いない。レギュラーを剥奪された今こそ、静かに燃えているはずだ。鳥谷の野球人生は、まだまだ続く。(表 洋介)

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