【西武】雄星“復活”6回9K0封 米12球団スカウト熱視線

スポーツ報知
6勝目を挙げ、ファンとタッチを交わす菊池(カメラ・上村 尚平)

◆日本生命セ・パ交流戦 西武2―0阪神(1日・メットライフドーム)

 電光掲示板にともされた球速が、雄星の“復活”を証明した。「(今季)初めて納得のいく球がいった。腕が吹っ飛ぶくらい振った。今シーズン初めて心から喜べる勝ちだな、と」。1点リードの2回。先頭に安打を許したが、「一番確実にアウトが取れるのは三振」と後続3人を空振り三振。最後の江越の3球目は、自身の持つ最速にあと1キロに迫る今季最速157キロで空を切らせた。

 メジャー12球団のスカウトが熱視線を送る中、6回3安打無失点で今季最多の9奪三振。5月4日の楽天戦(楽天生命)以来、無傷の6連勝を飾った。

 左肩に異変が起きた。5勝0敗ながら防御率3・86。白星はついても本来の球が行かない。5月5日夜。2か月近く続いた自問自答の日々に終止符を打った。「時間をください」。勇気を持って首脳陣に一時離脱を願い出た。

 「野手の助けで勝つのは、自分に求められる投球じゃない。今年は(優勝の)チャンス。10月、11月を考えた時、悔しいけど我慢することを選びました」

仲間と約束 診断は「左肩の機能低下」。与えられた時間を最大限に生かし、膝や足首の角度に至るまで細部を見直し、劇的に回復した。

 抹消前、仲間へあいさつに回ると「お前が帰ってくるまで、首位でいるから」と励まされた。首位を渡さず約束を守ってくれた。辻監督も「うちの投手陣の柱。次はもっと期待できる」と30勝に導いた左腕に信頼を置く。「もう不安はない。次は100球以上いけたら」と雄星。交流戦はこれで13勝2敗。15年からの連勝を8に伸ばした絶対的エースが、マウンドに帰ってきた。(小林 圭太)

野球

×