【広島】松田オーナー、投手陣崩壊も慌てず騒がず「交流戦は五分五分で御の字」

スポーツ報知
中村祐

 広島が苦戦している。交流戦は2勝4敗と2カード連続で負け越し、6試合での44失点、防御率6・79はともに12球団ワースト。最近8試合中7試合で7失点以上と投手陣が壊滅的だ。リーグ3連覇への雲行きが怪しくなってきたのか? 広島担当の種村亮記者が「見た」。

 首位の広島が投壊を止められないでいる。両リーグ単独トップの8勝の大瀬良と、リーグトップの勝率8割3分3厘(5勝1敗)の岡田以外の先発は試合をつくることができていない。

 松田元オーナー(67)は、先発以上に中継ぎの整備を訴える。「先発6枚そろえるのが王道だが、時間がかかる。その間は中継ぎの層を厚くしないといけない」。2日のロッテ戦(ZOZO)では1点を追う7回に登板した一岡が2失点。先発が不安定な分、今村、ジャクソン、中崎の必勝継投につなぐまでの救援の弱さが、チームの投壊の一因になっている。

 だが、そんなチーム状況も、記者は大ピンチとは思っていない。むしろ、明るい材料さえ見える。

 2年目右腕のアドゥワは、プロ初登板から10試合連続無失点など、21試合で防御率2・70。競った場面でも起用されるようになってきた。そのほかのリリーフでは、4年目の藤井皓や2年目の長井も、1軍での経験を着実に積んでいる。

 先発でも“チャレンジ枠”が設けられている。5年目の中村祐はチャンスを生かしてローテに定着し、3勝を挙げている。2年目の高橋昂や、育成から支配下契約したフランスアを先発マウンドに立たせてきた。その2人は勝てていないが、緒方監督は責めることなく今後に期待するコメントを発している。松田オーナーも「育成は球団の体質。(緒方監督は)今年1年だけを見ていない」と評価する。球団と現場が方向性を一つにし、若手を積極的に登用している。だから、展望が明るく映る。

 もちろん、セ他球団の猛追がないことも、安心して見ていられる大きな理由。貯金は8で、セの貯金を独り占め。松田オーナーは「6月末の段階で10でいい。優勝争いができる。交流戦は五分五分で御の字」と見通しを語る。大型連敗を阻止しながら投手陣の育成、整備を行うことができれば、球団初の3連覇だけでなく、さらなる黄金時代が到来するはずだ。

(種村 亮)

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