【ヤクルト】交流戦初王者!小川監督、好調支える「方程式」に感謝

スポーツ報知
交流戦初の最高勝率チームに決まり、観客の声援に応えるヤクルトナイン(カメラ・頓所 美代子)

◆日本生命セ・パ交流戦 日本ハム1―5ヤクルト(17日・札幌ドーム)

 ヤクルトが日本ハムに勝ち、初の交流戦最高勝率チームに決まった。この日、西武、ソフトバンクの可能性が消滅。オリックスが勝率で並ぶ可能性はあるが、直接対決で勝ち越しているため確定した。セ・リーグでは12、14年の巨人に次いで2チーム目。前年の交流戦最下位、交流戦前のリーグ最下位が1位になるのはともに初めて。またパ・リーグは9年連続の勝ち越しを決め、今秋ドラフト会議での指名順優先権を獲得した。

 右翼席が大きく沸いた。敵地のビジョンに「最高勝率球団おめでとうございます」と祝福のメッセージが躍ると、ヤクルトの選手たちは誇らしげに応援団に頭を下げた。予想もしなかった快挙。小川監督は「一番はバッテリー。パ・リーグの強打者相手に攻めていった結果。交流戦を通して接戦をものにした試合が多かった」と目を細めた。

 この日も「勝利の方程式」が日本ハム打線を寄せ付けなかった。7回から小川の後を継いだ中尾、近藤、石山が鉄壁リレー。中尾は16日に決勝アーチを浴びた横尾から空振り三振を奪ってリベンジし、近藤は14試合、石山は16試合連続無失点だ。“胴上げ投手”に輝いた投手キャプテンの石山は「勝って良かった」と歓喜の表情を浮かべた。

 勝ちパターンで秋吉、カラシティーが本来の力を発揮できなければ2軍で再調整させ、結果を残した近藤、中尾を組み込んだ。適性があると見るや、救援専門だったカラシティーを先発に転向させ、先発で結果が出なかった原は中継ぎに。大胆な配置転換が吉と出た。

 昨季は主力に故障者が続出し、球団記録を更新する96敗。キャンプから控え選手の底上げがチームの課題の一つだった。交流戦も例外ではなく坂口、山田哲、中村、由規、大引らが一時離脱。その中で荒木、田代、井野、山中ら“脇役”が穴を埋める働きを見せた。

 キャプテンの中村は、負けが込んだ春先でも1年前との違いを感じていた。「去年は大差で負ける試合が多かった。あとは勝ちきれるかだけ」。ミーティングでは石井打撃コーチが事あるごとに「打てなかったら野手が悪い、打たれたら投手が悪い。なあなあはやめよう」と発言。それぞれの責任を明確にした。

 吉兆と思える出来事も。交流戦直前の5月25日に神宮クラブハウス前に巨大なヘビが出現。同28日には神宮外苑で石川が猫のフンをべったり踏み、運を呼んだ。上田が円陣で声出し役を務めてからは快進撃。7日のソフトバンク戦(神宮)で決勝のホームを踏み、監督賞までゲットした。

 セ最下位で交流戦を迎えたチームは2位タイに浮上。大きな自信を手に、最大借金11からの史上最大逆転Vを目指す。(田島 正登)

 ◆賞金 交流戦最高勝率のヤクルトには500万円が贈られる。勝ち越しを決めたパ6球団には順位に応じて1000万円から100万円が贈られる。交流戦は15年から本拠地と敵地で3試合を隔年で行うため、優勝チームを決めず、両リーグの合計勝利数を争っている。

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