【楽天】平石監督代行就任後５戦４勝！タナモギアイランドのタナこと田中、Ｖ内野安打

◆楽天６―５日本ハム（２４日・楽天生命パーク）

　平石イーグルスの真骨頂が出た。同点の８回２死二、三塁、田中はフルカウントからボール球の内角低め１５１キロ直球に反応。打球は平凡な一塁へのゴロだったが、５０メートル５秒９の俊足を飛ばして内野安打。決勝の勝ち越し打に変えた。絶好調の２３歳は「ファウルと思ったけど、フェアだったので必死に走りました」と笑った。

　スピードある攻撃は新指揮官の狙い通りだ。１番から田中、茂木、島内と足の使える「タナモギアイランド」を全５試合で起用。中でも田中は平石政権下、２２打数１１安打で打率５割と十二分の働きをしている。昨季は茂木、ペゲーロの１、２番で超攻撃的オーダーを組んだが、新たな形を見いだした。平石監督代行は９試合連続安打の田中の活躍に「ちょっと想像をはるかに超えるくらいの活躍」と目を細めた。

　西武に移籍した松井稼の教えが田中の急成長を後押しした。昨季までチームメートだったレジェンドに直談判してオフの自主トレに参加。野球の技術ではなく、審判を敬う姿勢や道具を大切にするという野球の原点を教わった。「今までは際どい判定に不満そうな顔をすることもあった。あれだけの選手でもそういうことを大事にするんだと思った」

　４点差の逆転勝利は昨年７月１１日のソフトバンク戦（ヤフオクＤ）以来で今季初だ。平石監督代行就任後は５戦４勝。初の３連戦で勝ち越した。本拠地での今季初の２日連続勝利を大逆転勝ちでつかみ、新指揮官は「本当によく粘ってくれたと思います」とたたえた。最下位に沈むが残り７５試合。逆襲への形はできあがってきた。（安藤　宏太）