【DeNA】得点圏打率.059の佐野、人生初サヨナラ打

スポーツ報知

◆DeNA5x―4広島(29日・横浜)

 得点圏で17打数1安打、打率わずか5分9厘の代打男は、腹をくくっていた。「苦手なチェンジアップを待とう」。同点の9回1死一、二塁。DeNA2年目の大砲候補・佐野が、広島・アドゥワの初球チェンジアップを思い切り振り抜いた。打球はあっという間に右翼フェンスを直撃。人生初のサヨナラ打で、チームの連敗を3で止めた。

 左の代打要員として開幕1軍に食い込みながら、12打数無安打で2軍落ち。約1か月で再昇格したものの、相変わらずチャンスの打席では変化球攻めにあって結果が出ない。それでも「君の持ち味はスイングスピード。迎えにいかず引きつけて打て」というラミレス監督の教えを守り抜き、サヨナラの好機でもあえて遅い球を待った。

 8回に同点3ランを放ったルーキー神里とは、合宿所からいっしょに車で球場に通っている23歳。年齢は神里がひとつ上。顔が似ていると評判で「お兄ちゃんみたい」と慕っている。その“兄”と並んだ初めてのお立ち台。「夢のような時間。いっしょに立ててうれしいです」と声を弾ませた。

 3週間ぶりに復帰のロペスがさっそくアーチを放ち、神里、佐野と期待を寄せる若手が土壇場で大仕事をこなしての快勝に、ラミちゃんは「久しぶりに笑えた。今季のベストゲームだ」とニンマリ。20年前の優勝時のユニホームを着用した「GET THE FLAGシリーズ」は、まさかの3連敗でスタート。劇的なシリーズ初白星に、指揮官は「これから連勝したい」とこぶしを握りしめた。(星野 和明)

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