【ロッテ】ボルシンガー、パ10勝一番乗り「息子のために」

スポーツ報知
井口監督(左)と一緒にナインを出迎えるボルシンガー(右)

◆ソフトバンク2―5ロッテ(30日・福岡ヤフオクドーム)

 パパ1勝の味は格別だった。ロッテのボルシンガーはウィニングボールを見つめながらしみじみと語った。

「特別な日になった。子どもが生まれた直後の登板で自分の投球ができた」

 27日に第1子の男児・ルークくんが誕生した。26日の予定日から病院で30時間以上寝ずにローレン夫人(31)に寄り添った。「唇は僕に似ているかな」。愛息が生まれた瞬間は喜びと感動で目頭が熱くなった。

 「息子のためにも勝ちたい」と臨んだ一戦で7回3安打1失点と好投し自身9連勝。チームでは16年の石川以来となるリーグ最速10勝となった。球種は直球、ナックルカーブ、スライダーの3種類だが、直球は打者の手元で微妙にシュートやカットボールに似た軌道を描く。スライダーも縦横に不規則に曲がるクセ球だ。この日は最速145キロの直球が全体の45%、スライダーは38%を占めた。この2球種を軸にタカ打線を翻弄した。

 6月最終登板で月間5勝目。球団では02年9月のミンチー以来16年ぶりの快挙となった。チームメートの石川らと争う月間MVPの座にも近づいた。試合後には「早くウィニングボールを届けたい」と満面の笑みで愛する家族の元へと帰っていった。(長井 毅)

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