【日本ハム】吉田輝星の“言葉力”にベテラン記者が驚いた

スポーツ報知
三線の演奏に挑戦した吉田輝星(カメラ・佐々木 清勝)

 日本ハムのドラフト1位・吉田輝星投手(18)=金足農=は4日、沖縄・国頭(くにがみ)2軍キャンプ初の休日を迎え、沖縄の郷土楽器・三線(さんしん)の演奏に挑戦。つかの間のオフを満喫した。第1クールを取材した野球取材歴22年の星野記者によると、吉田輝の“言葉力”と向上心には目を見張るものがあるという。

 1日から4日間、日本ハム2軍キャンプを取材した(実際は吉田輝だけを見ていたようなものだが…)。球団担当ではなく遊軍記者の立場なので自主トレもほとんど取材していない。ほぼ白紙の状態で見た18歳に驚かされたのは、ボールの勢いでもプリップリのたくましいお尻でもなく「話す力」だ。

 この日、輝星は高卒新人の柿木(大阪桐蔭高)らと三線の演奏に挑戦。「(16日の)紅白戦でいっぱいサンシン(三振)を取りたいです」はダジャレかもしれないが、メディアに囲まれて何を聞かれても、即座に気の利いた、中身のある答えが返ってくる。

 その言葉力の背景に、優れた思考力や観察力があるのは間違いない。初日の練習で、自主トレから組んでいた柿木ではなく2年目右腕の田中瑛斗(えいと、19)とキャッチボールをした理由を聞かれると「まぁ、やろうかって感じに…」と言い出した直後に「瑛斗さんはいい投手。キャッチボールからも盗めるというか、自分のものにできるものがあるんじゃないかと思いました」と続けた。さらに「軽く投げてもいい回転で、予測できないくらいボールが伸びたりする」とも。自身も目指す「回転のいいボール」に関連づけたコメントは観察力や思考力がなければ簡単には出てこない。

 どちらも野球選手、とりわけバッテリーを務める選手には欠かせない素養。現時点での投げているボールは本人も周囲も納得できるものではないだろうが、この2つのツールを身につけているのだから、心配する必要はないだろう。(星野 和明)

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