三喜丸 南房・千田港 イサキ、制限50尾続出

外房や南房などでイサキが好調に釣れている。南房・千田港の報知指定・三喜丸の乗合船では、制限尾数の50尾を達成する釣り人が続出している。釣り場は千田港から航程10分ほどの近場。25~30センチ級主体で食いがよく、35センチオーバーの大型も交じる。梅雨を前に最盛期に突入した南房のイサキ。白子や真子も膨らみだし、旬を迎えている。
千田港のすぐ前に広がる釣り場に着くと、早川正晴船長(74)は、魚探の画面を慎重に見つめ船足を緩めた。港を出てまだ10分少々のことだ。「タナ19メートルで始めて下さい」の声で釣りを開始した。
水深22メートルまで仕掛けを下ろし、魚を驚かせないように、竿先をゆっくり大きく上下に一振りしてコマセをまく。そこでリールのハンドルを一回巻いて、またコマセをまく。これを3回行い約3メートル巻き上げて指示ダナの19メートルに合わせた。コマセが作る煙幕にイサキが集まって来たのか、止めた竿先が少し浮き上がると、すぐさまギュンギュンと竿が引き込まれた。1・75号のハリスが切れないようにゆっくりと巻き上げる。海面から抜き上げたイサキは28センチの良型だった。活性は高いようでアタリが続いた。
右舷船尾では、東村山市の勝又勲さん(79)が順調に数を伸ばしていた。早川船長から「タナ27メートル、魚が浮いて来ています」とのアナウンスがあると、指示ダナより1~2メートル上に仕掛けを止めて待った。すると、一気に竿先が水面にまで引き込まれる強い引きがきた。「群れの上に居る魚は大型が多いからね。これが1尾ならジャンボサイズだよ、良型の一荷かな」の言葉通り水面下に現れた魚影は2つ。30センチ級の2尾掛けだった。
左舷船尾付近に席を構える多古町の窪田貢さん(61)は、手持ち竿スタイル。1尾掛かるとゆっくりと巻き上げながら誘い、多点掛け狙いで釣り続けた。小型はリリースしながら制限尾数の50尾に近づくと「食いが良く、ほぼ入れ食い状態が続きましたね。今日は大満足です」と話し、少し早めに仕掛けをかたづけた。同行の東金町の前嶋博道さん(68)も好釣果を上げ「引きも良く、数釣りが楽しめました。イサキは刺し身や焼いてもおいしいからね」とニコニコ顔だ。
三喜丸では制限尾数を多くの人が達成している。また少ない人でも20~30尾と順調だ。イサキは「梅雨イサキ」の名前があるように、これからが旬。早川船長は「白子や真子が入っているイサキが増えてきました。産卵に向け活発に餌を食べるので、脂も乗り肉厚でおいしいですよ」と話す。この時期は海が穏やかな日が多く、初心者にも釣りやすい季節。イサキを釣るなら今がお薦めだ。(田中 清)
◆めも イサキ釣りの近況、乗合船は、千田港三喜丸(TEL0470・43・8293、ホームページはQRコード参照)。乗合船は午前4時30分集合、同5時出船。料金は餌、氷付きで1万500円。女性1000円引き。中学生以下半額。乗船は人数制限あり。要予約。
このほか以下の船宿でも乗合船を出す。
片貝港源七丸(TEL0475・76・2002)
大原港松栄丸(TEL0470・62・0571)
西川名港竜一丸(TEL0470・29・0605)
栄ノ浦港早川丸(TEL0470・29・1095)
網代港森竜丸(TEL0557・68・1477)
須崎港ほうえい丸(TEL0558・22・1047)