映画「帝一の國」竹内涼真ら若手俳優の熱演光る…座談会

スポーツ報知の芸能記者が本音を語り合う名物座談会シリーズ「言いたいHo!題」。賞レースの幕開けを飾る報知映画賞の表彰式を終え、あとは年を越すだけと思いつつ…映画担当記者それぞれの胸に去来するのは「今年、あの映画もあったよな…」「この映画、もっと知られるべきなんじゃ…」との思い。そんなわけで「2017 もっと評価されても良かった映画で賞」を緊急開催しました。
【作品】
A コメディーって賞レースで評価されにくいけど、今年はひそかにコメディー豊作の年だったよね。報知映画賞で菅田将暉の主演男優賞受賞対象作になった「帝一の國」は作品としてもレベルが高かった。
B 名門校の生徒会長選挙に命を懸ける高校生の話だけど、原作をリスペクトしつつ、原作ファン以外も楽しめるように工夫されていたよね。
C 菅田以外も竹内涼真、野村周平、間宮祥太朗と旬な若手俳優陣の熱演が光ってた。
A コメディーでは「リングサイド・ストーリー」も良作だ。売れない俳優が勘違いから、格闘技デビューするっていうあり得ない展開だけど、脚本も主演の瑛太と佐藤江梨子の演技も丁寧で自然と引き込まれた。
B 妻夫木聡主演の「奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール」も面白かったね。奥田に憧れる編集者の妻夫木とか、周りの男たちが水原希子演じる「狂わせるガール」に翻弄されていく話だけど、水原の魅力が全開で。
C あれは…男はたまらない。でも、あの原作には「カフェでよくかかっているJ―POPのボサノヴァカバーを歌う女の一生」っていう超絶面白い前作があるので、そっちの映画化も期待してる隠れ原作ファンは多いと思う。
A 作品というか監督だけど、名前を挙げておきたいのは「わさび」「春なれや」などの短編集を公開した外山文治監督。個人製作作品で宣伝、配給まで自分で交渉して公開を実現させた熱意はものすごい。常識外れというか、画期的手法はある意味で特別賞に値すると思うよ。
C あと、落語家の柳家喬太郎が主演した「スプリング、ハズ、カム」もさりげない佳作。上京する一人娘と父親が一緒に部屋探しをする一日を描いただけの作品なんだけど、娘役の石井杏奈も含めてキャスティングがハマってるよ。
B ボクシングを題材にした「あゝ、荒野」が邦画の賞レースをリードしそうだけど、実はボクシング映画の当たり年でもあって、洋画でも「ビニー/信じる男」とか「ハンズ・オブ・ストーン」の秀作がある。「ロッキー」好きの読者の方は要チェックですよ。