前楽天・片山、BC武蔵でコーチ兼任投手で再出発 離婚、手術、ホテル生活を乗り越え

楽天を戦力外となった片山博視投手(30)が昨年12月30日に放送されたTBS系特番「プロ野球戦力外通告 クビを宣告された男達」(後10時)の密着を受け、当時の心境などを語った。片山は今年から独立リーグのBC武蔵でコーチ兼任で現役を続ける。
2005年のドラフトで広島と楽天から1巡目指名を受け抽選で楽天に入団。10年、11年と2年連続50試合以上登板と中継ぎとして活躍も、左ひじを痛め、15年に野手転向。16年から育成契約となり、投手に復帰したが17年オフに戦力外通告を受けた。
今年2月には左肘内側側副靱帯(じんたい)の断裂のため手術を受けリハビリを行っていた矢先での戦力外通告に片山は「悔い残らないと言ったらウソですよ。でもケガして1年間野球をやっていないのでクビ切られて当然です」と語った。
番組では仙台市内のビジネスホテルで生活している片山に密着。15年7月に離婚して一緒に住んでいた賃貸マンションを解約し、ホテル生活をしているという片山は「試練を言うか、もう1回、一社会人としてしっかりやらないといけないですし…」と現状を受け止める発言をしている。
トライアウトは、4人の打者と対戦。先頭打者に四球を与え、続く打者に中前安打を許したが、その後は空振り三振、見逃し三振で終えた。「2月以来のピッチングでどうなるかと思ったけれど、フォアボール出しても、冷静な自分がいた。靱帯が新しくなって、良くなる楽しみがある」と話した。
トライアウトの5日後に、BCリーグ武蔵の監督に就任したばかりの元ロッテ・角晃多(26)から直接電話でオファーを受け、兼任コーチでの現役続行を決断。「NPBに帰る前提ではありますけれど、1年限定でチャンスをくれたわけですから。またプロでやりたい気持ちはあります」とオファーに感謝した。
1年半に渡るホテル生活に別れを告げ、埼玉での生活が待っている。「(ホテル生活は)快適でしたよ」と片山。12年間生活した仙台の街についても「第二の故郷として、ずっと心には置いときたいですね」と心境を語った。