松本白鸚「父も喜んでいると思います」高麗屋が3代同時襲名

スポーツ報知
襲名披露口上を行った(左から)市川染五郎、松本幸四郎、松本白鸚

 歌舞伎俳優の松本幸四郎改め2代目松本白鸚(75)、市川染五郎改め10代目松本幸四郎(44)、松本金太郎改め8代目市川染五郎(12)の襲名披露興行となる東京・歌舞伎座の「壽 初春大歌舞伎」(26日まで)が2日、開幕した。

 37年ぶりとなる高麗屋の親・子・孫3代同時襲名とあって、口上には日本俳優協会会長の坂田藤十郎(86)、新・白鸚の弟・中村吉右衛門(73)ら22人もの俳優がズラリと並んだ。白鸚は「3代そろっての襲名は、昭和56年以来、37年ぶりです。3人そろってのご披露が盛大に行われますことは、泉下(亡くなった)の父(初代白鸚)も喜んでいると思います」、新・幸四郎は「自分の勤める歌舞伎が、歌舞伎の力となることを信じて、天に向かって舞台に立ち続けます」、新・染五郎は「この上ない喜び。なお一層、芸道に精進いたします」とそれぞれにあいさつ。その度に大向こうから「高麗屋!」の掛け声が上がり、劇場内は大きな拍手に包まれた。

 昼の部では「菅原伝授手習鑑」の「車引」で幸四郎が松王丸役で登場、次の「寺子屋」では白鸚が松王丸役を演じ、同じ役の“親子リレー”で観客を沸かせた。

 夜の部では白鸚が1100以上も武蔵坊弁慶を演じた高麗屋ゆかりの演目「勧進帳」で、幸四郎が弁慶、染五郎が源義経を演じ、親子共演を果たした。

 この日は昼夜ともに満員で、劇場ロビーには「壽」の文字が描かれた縦1・8メートル、横1・2メートルの大凧が飾られた。白鸚の次女・松たか子(40)ら関係者も多く駆けつけ、新たな門出を祝った。

 5階の歌舞伎座ギャラリーでは幸四郎が演じる松王丸の等身大フィギュアなどを飾った特別展「高麗屋のコリャイイや」(2月25日まで)も開幕、昼夜の公演の合間にオープニングセレモニーに出席した幸四郎は「幸四郎さんと呼ばれると、(そばに)父がいるんじゃないかとビクっとします」と照れながら「皆様に見て頂くのが私の仕事。目指すところに向かって参ります」と決意を新たにしていた。

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