東山紀之、マイケルに導かれ9年ぶり本格ダンス舞台 ジャニーズJr.公演に特別出演

スポーツ報知
~vol・13~

 少年隊の東山紀之(51)が、ジャニーズJr.が総出演する東京・帝国劇場の舞台「ジャニーズ Happy New Year アイランド」に特別出演している。7日にはシリーズ復活から10周年となるテレビ朝日系スペシャルドラマ「必殺仕事人」(後9時)が放送、12日にはNHK BS時代劇「大岡越前4」(金曜・後8時)もスタートする。50代となっても少しも衰えを感じさせない、その姿の陰には、故マイケル・ジャクソンさん(09年死去、享年50)の存在があった。

 上演中の「―アイランド」で東山は、ジャニーズJr.を率いる形で、年齢を感じさせない華麗なダンスを披露している。Jr.のメンバーとは親子ほどの年の差がありながら、踊りに関しては強烈な自負をのぞかせる。

 「50代の割には踊れているかな。何とか頑張ってね。問題は日曜日かな。朝に(テレビ朝日系『サンデーLIVE!』)キャスターをやった後に行って、どうなるか。でも、まだまだいけるんじゃないかなと思っていますよ」

 ステージで本格ダンスを披露するのは、08年まで通算950公演した「PLAYZONE」以来9年4か月ぶり。ジャニー喜多川社長に直訴して出演を決めた。

 ステージ復帰には、2つの思いがあった。一つは自身が考える原点への渇望。もう一つは、近藤真彦(53)に次ぐジャニーズの“次男”として、次世代への“ジャニーズイズム”の継承だ。

 「僕も久しぶりに歌って踊るという基本に戻ってやっていこうかなと思って、やっとタイミングが合った。後輩とガッツリ共演するのはTOKIO、V6以来なかった。年齢的なものもあって、次の世代のために何かできるかと、ずっと考えていた。いつジャニーさんに言おうかと思っていた。基本的な(歌って踊る)ラインに戻るのも、求めていたことだったので」

 稽古を重ねる中、思いがけない話にも出会った。「Prince」の神宮寺勇太(20)から、母親が自身のファンだと打ち明けられた。そこに“ジャニーズイズム”を感じた。

 「お母さんが『PLAYZONE』の2年目を見たらしく、そのときの主題歌が『君だけに』だった。今回は『Prince』と『Mr.KING』に『君だけに』を歌ってもらう。22年の時を経て、お母さんが見た作品の主題歌を息子が歌う。こういうのって、ウチの事務所ならではだと思う」

 ジャニーズといえば、先輩から後輩へのお年玉も恒例行事の一つ。Jr.グループ8組総勢40人のほか、グループに所属しないJr.たちも多数出演する。

 「これが、みんな売れっ子で『あの番組が、この番組が』というのがあって、食事にも行けていない。でも、行かないことにちょっとホッともしてる。人数的にはちょっと多いな…って。お年玉も、今回こっち(出演)組にはあげない、という言い訳は考えていました(笑い)」

 後輩たちとの距離を縮めながら、その中で何か残すことができれば―。その思いで日々のステージに立っている。だが、なぜそれが今だったのか。憧れの存在の年齢を超えたことが、大きく影響している。

 「マイケルの死は、僕の中ですごく大きかった。50歳で亡くなった。そのときは、さすがにジャニーさんも電話くれた。『ユー、大丈夫?』って。僕にとって、ダンスの神様だった。この方がいなかったら、ダンスを始めてなかった」

 そのマイケルは、ラストツアー「THIS IS IT」の開幕直前で亡くなった。

 「『ファイナルカーテンコールだ』って、最後にツアーをすると言って、それができなかった。だから、思いついたときにちゃんとやっておかないといけないなって。今回、出演を決めたのも、逆に言うと、僕も今がラストチャンスかもしれないと思う。何か僕の中に燃えている炎を感じてもらって、ああいうふうにしてたなと後で思い出してもらいたい」

 「少年隊」の楽曲だけでなく、SMAP「夜空ノムコウ」、嵐「Monster」などジャニーズのレジェンドナンバーを集めた2幕のショーでは、楽曲を新たな振り付けで彩るため、マイケルの振り付けで知られるトラヴィス・ペイン氏らが参加した。東山も、かねて親交があった。

 「トラヴィスは我が家に来てくれたり、妻(木村佳乃)とも娘とも、すごく良くしてくれる。ただの踊りだけじゃなく、人生の、ある意味パートナーになれたような広がりがあるから(今作への参加は)本当に大きかった」

 先輩から後輩へ、その思いは舞台だけではない。主人公・渡辺小五郎を演じる「必殺仕事人」には、昨年6月に肺腺がんで亡くなった野際陽子さん(享年81)が出演している。また、今回で復活10周年となるシリーズは、07年に中村主水役の故・藤田まことさんから引き継ぐ形で始まった。藤田さんとは今回、劇中でCGを駆使して“共演”も果たしている。

 「10年も続くと思わなかったけど、先輩たちが作ったものを僕たちが受け継いでいる。野際さんも、みんなそうだけど、こうやって次の世代に自分が得たものを渡そうと思っていると思う。僕も先輩たちとの共演を希望しますけど、後輩たちとやるのも大事。ちょうどいい世代だと思う。先輩、後輩と一緒に組んでいく。まだ自分が次にバトンを渡すには、もうちょっと時間が必要だと思うけど、そういうのをやっていく年齢になってきたのかなと思う」

 「大岡越前」も今クールで第4弾となった。また、昨年10月から「サンデーLIVE!」のメインキャスターを務めている。継続するものがあれば、新たに挑戦するものもある。

 「反骨精神が、徐々にエネルギーに変わっていったりする。この年で新しいことも、どんどんさせてもらえているので、真摯(しんし)に向かっていこうと」

 若い頃から毎朝のランニングや腹筋などのトレーニングは欠かすことはない。それでも、年を重ねることで、ダンスにおいてもわずかな感覚の差や日々の疲労回復など、衰えを感じないわけではないという。これから、さらに年齢を重ねていく。そこと、どう向き合っていくのか。

 「あんまり考えないようにする。とにかく、僕は動くということが一番いいのかなと思っている。そういうもの(年齢)に執着するより、実際に動くということに重きを置いた方がいい。若いとかどうとか、年齢的なものは超えちゃっていければと思っている」(ペン・畑中 祐司)

 ◆東山 紀之(ひがしやま・のりゆき)1966年9月30日、川崎市生まれ。51歳。79年ジャニーズ事務所入り。82年に「少年隊」のメンバーとなり、85年に「仮面舞踏会」でレコードデビュー、日本レコード大賞最優秀新人賞を受賞。93年に同事務所で初めてNHK大河ドラマ(「琉球の風」)に主演。2010年に女優の木村佳乃と結婚し、2女をもうける。身長178センチ、血液型A。

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