箱根駅伝の語り部 実況アナウンサーのこだわり「フルネーム大作戦とは」 PON!で紹介

スポーツ報知
日本テレビ・平川健太郎アナ

 9日放送の日本テレビ系「PON!」(月~木曜・前10時25分)では「アナウンサーたちの箱根駅伝」として、箱根駅伝の実況を担当したアナウンサー4人を紹介し裏側に迫った。

 スタジオには放送センター担当の平川健太郎アナ(48)、1号車担当の河村亮アナ(50)、サブアナウンサーの笹崎里菜アナ(25)、初実況で5区の小涌園を担当した平松修造アナ(25)の4人が登場した。

 入社27年目で、23年連続で箱根駅伝の実況を務め、4年連続で実況の司令塔でもある放送センターを担当する平川アナは3つのこだわりとして〈1〉オープニングコメント〈2〉フルネーム大作戦〈3〉ハーモニーを紹介した。

 今年のオープニングは「大正 昭和 平成とつなぎ続けた学生たちの情熱が まもなく94回目の号砲を響かせます いつの時代も見つめ続けた湘南の海 箱根の山々 そして日本の頂が学生たちを迎える準備は整いました」で、平川アナは「ここでは絶対、かめない緊張感があります。前日くらいに考えます。“学生”という言葉を大事にしたい」と込めた思いを語った。

 また「努力目標としてフルネームを言うことで選手に敬意を表している」とこわだりを披露。“ハーモニー”として「興奮した現場の後は解説者と(静かに)話したり全体の音のバランスを整えています」と語った。

 10年連続11度目となる1号車担当の河村アナはストーリーを重視した“河村節”で知られている。

 青学大の3連覇のシーンでは「優勝校としてそして競合校としてこの青山学院大学は高い木として育ちました 高い木になれば一際その背丈が高いだけに強い風を受ける 時には折れそうになる 目立つから周囲からの注目を浴びる プレッシャーを受ける その木は折れないかな? 原監督は心配しました ただこの高い木はしっかりと根を張っていました それはつまり先輩たちの流した汗 そして涙を その根っこから十分に吸ったからこそ張った雄々しいほどの大木に育ちました」との名実況が紹介された。

 河村アナは「おととしは1区で青学が先頭にたって、その大学しか見ていないんですよ。抜きつ抜かれつを実況できない、動きを描写できないので、いかにストーリーをお伝えするか。その大学がどういう思いがあったのかそれを伝える難しさがある」と話した。

 番組では6年前、山の神と称された東洋大・柏原竜二の快走を伝える河村アナの実況を紹介。「険しい険しい天下の険と言われた大自然の象徴・箱根に挑んで参りましたこの4年間 私たちは時に大自然の脅威の前に人間のちっぽけさそして無力さを痛感します 時にぼう然とします ただ柏原は人間1人の力ではありません ともに絆を信じ 手を取り合い そしてお互いをいたわり合い進むことで不可能は可能にできる 人間の絆 結びつきが不可能を可能にするということを教えてくれました この寡黙な22歳の青年は見事に走る姿は雄弁です この走る姿の雄弁さをもって ともに分かち合いたい友との歓喜の輪 その友の歓喜の輪に飛び込む時に いよいよ柏原竜二 最後の最後 あの芦ノ湖に別れを告げる4年間です」。名フレーズにスタジオは騒然。実況の準備として河村アナは「共通の資料では足りない。OBだったり食堂のおばさんや、トレーナーの人に話を聞く」と奥行きを持たせる苦労を語った。

 3年連続で担当する笹崎アナは「(箱根駅伝がこないと)1年が始まらない感覚。メインアナウンサーをサポートするのが大切で、先を見て情報をすっと出す」と仕事を説明。念願の初実況となった平松アナは「(実況のアナウンサーは)コースを歩くんですが、前日の夜に走ったらきつくて、40分以上ベッドで動けなかった」と“山登り”のつらさを味わったという。「気持ちが入って、身をもって体感できました」と実況に生きたと説明、「(前夜は)30分おきに目が覚めて。夢も全部箱根駅伝の実況でした」と前日のプレッシャーを語っていた。

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