鈴木亮平「西郷どん」に体当たり 経験者の金言「大河主演は一生に1回」を胸に

2018年1月13日14時0分  スポーツ報知
  • 西郷隆盛役に挑戦!相撲のワンシーンのポーズをみせる鈴木亮平(カメラ・小泉 洋樹)
  • 大河初出演で主人公を演じる鈴木亮平

 俳優の鈴木亮平(34)が、7日にスタートしたNHK大河ドラマ「西郷(せご)どん」(日曜・後8時)に主演している。大河初出演で、主人公の幕末の英雄・西郷吉之助(隆盛)の大役。よく泣き、よく走り、エネルギッシュで人情味あふれる西郷さんを全力で演じる。アニメ声優に憧れた幼少期、演劇部で芝居に励んだ大学時代を経て、俳優デビューから12年。実力派がそろう同世代の俳優陣に絶対負けないと自負するのは「芝居にかける情熱」だった。

 “亮平西郷どん”の1年が幕を開けた。18歳から死没する49歳までの西郷を全力で演じ切る。

 「鈴木亮平を捨てて、西郷さんを生きる1年になる。着物で刀を持って扮装(ふんそう)してる時間の方が長い。西郷さんが92%、プライベートは8%くらいかな(笑い)」

 薩摩の下級武士・西郷が、藩主・島津斉彬や大久保利通、坂本龍馬、勝海舟らと出会い、革命家となって維新を成し遂げる物語。脚本の中園ミホさん(58)からは「欠点もあり、大恋愛したりする西郷を生き生きと描きたい」と期待を寄せられた。

 「僕は『共感力』と呼んでいますが、西郷さんは目の前の相手の気持ちになれる力がずば抜けて高いんです。ドッシリ構えて動じない、無口な世間のイメージとはかなり違った役になってる。走って汗かいて泣いて笑って叫んで、とにかくエネルギッシュ。自分と似ている点は…優しい人間というところですかね」

 7月のクランクイン前から鹿児島をはじめ九州を何度も訪問。西郷が見た景色を目に焼き付け、西郷をまつる鹿児島市の南洲神社も訪れた。

 「実在の人物になりきるのは禁断の領域に踏み込むことになるので、演じることを許してもらうためにごあいさつした。(14年『花子とアン』のモデル)村岡花子さんの旦那さん、去年ドラマで演じた宮沢賢治さん…。歴史上の人物を演じる時には敬意を持って接しなければいけないと、お墓参りに必ず行きます」

 作品で体重を30キロ以上コントロールするなどストイックな役づくりで知られる。今回は相撲シーンも多く、大久保正助(利通)役の瑛太(35)から「男の僕でもほれぼれする」と絶賛されるほど屈強な体をつくり上げた。

 「6月から4か月間くらい早大の相撲部で稽古しました。体が大きい僕が押してもビクともしない巨体の学生たちにぶつかって、一緒にちゃんこ鍋を食べたりしてたら、自然に満足いく外見になりました。ジムで鍛えたり、しっかりご飯も食べてたりして、胸回りを中心に全部巨大化して去年着てた服は何にも入らない。フル買い替えです」

 大河ドラマ初出演で主演という状況にも「自分でも驚くぐらい緊張してない」という。今作で斉彬を演じる渡辺謙(58)、綾瀬はるか(32)、岡田准一(37)ら、これまで大河の主役を飾った俳優からさまざまな“金言”を授かった。

 「謙さんからは『お前は前だけ向いて突き進め。転んでもいい。俺たちがサポートする』とお言葉をいただいた。綾瀬さんは『大丈夫だよ、楽しいよ』とポジティブな一言を。岡田さんから『現場のスタッフは一番の仲間。スタッフを飽きさせない芝居をするべき』と。今回の現場に『軍師官兵衛』(岡田主演、14年)のスタッフもいるので、西郷どんも負けない作品にしたい」

 いやが応でも注目される視聴率は「不思議なくらい気にならない」という。「視聴率は『数字が悪かったら次がない』という恐怖。大河ドラマの主演は一生に1回だと思う。次もクソもないので、自分がベストのものを出そうと思ってる。作品がおもしろいという絶対的な確信があります」

 34歳で念願の大河主演をつかんだ鈴木だが、10歳の頃はアニメ「シティーハンター」の主人公・冴羽リョウ(漢字はけものへんに寮)にひかれ、最初の夢はアニメ声優だった。中学、高校時代は映画俳優に憧れた。

 「中高で6年間バスケ部に入りながら、よく映画を見てた。ジャッキー・チェンとかアクション作品を見て俳優に強くひかれました。一番好きな映画は中2の時に学校の授業で見た『8月のメモワール』。ケビン・コスナー主演のベトナム戦争帰還兵の話で、友達の前で泣きそうになるのをこらえてて、俺って映画好きなんだなと痛感しました」

 英語が好きで高1の時に米オクラホマ州に1年間留学。東京外大への進学を機に兵庫から上京したが、部員不足で廃部寸前の演劇部に所属し、本格的に役者を志した。

 「1年の春に初舞台でいきなり主役の坂本龍馬を演じました。西郷じゃないですよ(笑い)。演技はド下手でしたけど、ずっと『俺は才能がある』と根拠のない自信があったんです。自分が何かやったことで人が泣いたり、芝居している時の高揚感がすごくて、一生の仕事にしたいと思った」

 大学3年。周囲が就職活動を始める中で「このままじゃプロになれない」と役者への“就活”を始めた。

 「履歴書を書いて何十社と芸能事務所に行ったけど、すべて門前払いでした。ふと行った制作会社で『役者は難しいけど、モデルなら』と面倒を見てもらったんです。ただ、モデルは外見で判断されて、自分よりスタイルが良くて顔がシュッとしてる人には勝てない。もともと俳優になりたかったので、ご縁があって今の事務所に移籍しました」

 23歳で俳優デビューし、映画、ドラマで着実にキャリアを重ねた。なかでも、体重を10キロ以上増量し、パンティーをかぶった正義のヒーローを演じた映画「HK/変態仮面」(13年)が大きな転機となった。

 「あの作品で世の中の人に『あいつ、やばいぞ。こんなことのために1年間、体づくりして一生懸命、熱く芝居してる』と伝わったのでは。コメディーあり、シリアスあり。スタントなしのアクション、高い声とドスの利いた低い声の2つの役を使い分けたり、自分が積み重ねたものを全て動員しました。それがあって(翌年の)『花子とアン』にもつながったんです」

 小栗旬(35)、藤原竜也(35)、山田孝之(34)ら同世代の俳優には実力派がひしめくが、誰にも負けない武器がある。

 「僕より芝居がうまくて顔が良い役者はたくさんいるけど、一つの役の準備にかける時間や誠意は負けない。『HK―』の体力的な役づくりもそうだし、『西郷どん』の鹿児島弁でも誰よりも完璧にしたいと取り組みました。芝居への情熱は負けたくないんです」

 毎年の目標を書き込んで自宅の壁に貼っている。

 「22歳の頃から1年ごとに『何歳までに〇〇をする』と目標を全部決めて、パソコンで打ち込んで印刷してます。毎年更新してて、始めた当初の30代後半の目標は『世界一の俳優になる』とか、すごいことになってました。方向性としては思い描いたようにいってますけど、かなりビハインドです。生きてくうちに現実が見えてきますけど、地に足つけて頑張ります」(ペン・星野 浩司)

 ◆鈴木 亮平(すずき・りょうへい)1983年3月29日、兵庫県出身。34歳。東京外大卒。モデルを経て、2006年に俳優デビュー。14年NHK連続テレビ小説「花子とアン」で主人公の夫役でブレイク。主な映画は13年「HK/変態仮面」、15年「俺物語!」、ドラマは同年TBS系「天皇の料理番」など。11年に一般女性と結婚、1女(6)をもうける。英検1級、世界遺産検定1級を持つ。身長186センチ。

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