【ブルーリボン賞】主演男優賞・阿部サダヲ、26年目で初受賞「菅田将暉だろうと思っていた」

スポーツ報知
カメラに向かってガッツポーズで喜んだ阿部サダヲ

 東京映画記者会(報知新聞社など在京7紙)が主催する「第60回(2017年度)ブルーリボン賞」が23日、決まった。主演男優賞には阿部サダヲ(47)、主演女優賞に新垣結衣(29)が選ばれた。授賞式は2月8日、東京・内幸町のイイノホールで行われる。

 阿部は、芸歴26年目で初受賞。受賞は予期せず「菅田将暉だろうなって思っていました」。今期の映画賞を総なめにしている“ライバル”の菅田とは昨年12月、共演の蒼井優の花束ゲストとして報知映画賞表彰式で会ったが、「『何しに来たんですか?』って。もう俺のこと見えてないんだろうな」と冗談を言って記者を笑わせた。

 不器用で憎めないお調子者のイメージが強い阿部だが、「彼女がその名を知らない鳥たち」では下品だがつかみどころのない男を演じきった。撮影は大阪で行われ、「ホテルではすぐテレビをつけちゃうけど、この時はテレビつけなくて集中してた。ずっとこの映画のこと考えていたっていうのは、なかなかなかった」。

 出演映画は必ず映画館で見る。「おもしろいですよ、反応が。見た人と終わった後にトイレに入ることが楽しい」とにやり。特に印象深いのが14年公開の「寄生獣」。主人公の右腕に寄生するミギーの声と動きを担当したが、「一緒にトイレ入った人が『阿部サダヲってどこに出てた?』って。それが一番おもしろかった」と笑いとばした。「彼女が―」でも映画館に足を運び、「いつも見た後にしゃべっている人が多いけど、黙っている人が多かった。いい反応だったのかも知れない」。確かな手応えを感じた。

 役者を始めた頃に思い描いていた未来と今はかけ離れている。「30歳くらいで辞めようって思ってた。運がよかったですね、とんとんとんっていったので」と目を細めた。来年はNHK大河ドラマ「いだてん~東京オリムピック噺~」の主演を控えるが、「せっかくこういう賞をいただいたので、映画に出たいな。ずっと危うい存在でいたい」と映画へのこだわりを見せた。

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