村主章枝さん、父親の退職金と母親の貯金を活動費に33歳まで現役を続けた理由を語る

スポーツ報知
村主章枝さん

 元フィギュアスケート選手の村主章枝さん(37)が、28日放送のテレビ朝日系「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(後6時57分)に出演し、33歳まで現役を続けた理由を語った。

 20代で引退することが多いフィギュアの世界だが、村主さんは33歳まで現役を続けた。父親はパイロット、母親はCAという一家の長女で生まれ、6歳からスケートを始めると16歳で全日本選手権を優勝。その時に出会った振付師のローリー・ニコルさんの影響を受け、振付師になりたいと思ったという。

 その後、1998年の長野五輪の出場は逃すが、2002年のソルトレーク五輪では5位。06年のトリノ五輪では4位でメダルまであと一歩のところまで行った。「一度もミスなく滑ることができたのに、何が足りなかったのだろう」と悩んだ当時を振り返った。特に、試合後のドーピング検査で「1位から4位まで同じ部屋に集められた」ことが苦しかったと明かした。

 「(トリノ五輪で)金メダルを取っていたら辞めていたか」の質問には「辞めていたかもしれない。銅でも辞めていたかもしれない」と村主さん。それでも2010年のバンクーバー五輪の代表を逃し、スポンサーもなくなり、無収入生活がスタート。年間の活動費が2000万円と言われるフィギュアで、父親の退職金と母親の貯金を活動費に充てたという。14年のソチ五輪の代表を逃した際も現役続行を目指したが、尊敬するニコルさんから振付師の依頼を受けて、現役引退を決意。現役選手は振付師を務めることができない規則があり悩んだが、妹の千香さんが「有終の美を飾れる人なんて、ほんの一握りなんだよ」と言われて決断できたという。

 現在はカナダで振付師として活動する村主さん。「苦労して続けて良かったのが、お金のありがたみがわかったこと」と説明。結果的に引退試合となった大会には両親を呼べなかったため、「アイスショーに両親を招待したい」と夢を語った。

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