安藤サクラ、「やっと、ここに立てたという感じです」ＮＨＫ朝ドラ「まんぷく」

　今年後期のＮＨＫ朝の連続テレビ小説「まんぷく」（１０月１日スタート、月～土曜・前８時）のヒロインに決まった女優・安藤サクラ（３１）が３１日、東京・渋谷のＮＨＫで会見した。

　今回は大阪放送局制作のため、午前中に大阪で会見。東京に移動して、この日２度目の会見となった安藤は女性らしい半袖ワンピースで登場。

　「石田？　いえ、今井福子役をやらしていただきます安藤サクラです。緊張して…」と役名を間違える緊張ぶり。

　「覚悟を決めて、やっと、ここに立てたという感じです。まっすぐに正直に…。ごめんなさい。大阪で一度、皆さん（マスコミ）の前に立たせていただいて、その時に感極まってしまって…。それを経て、今、ここに立っているのが…。武者震いなんでしょうか？　１回、気を取り直します。たくさん悩んで、このオファーをお受けして…。今、頭が真っ白になってしまいました。こんなことになるとは…。ごめんなさい。恥ずかしい」と、全く緊張を隠さずあいさつした。

　昨年６月に第１子の女児を出産したばかり。出演オファーを受けたのが同１０月とあって、「その時には子供を産んで、お仕事を長くお休みするのか、悩んでいて。とにかく、子供のために時間を過ごしていこうと思っていました。だから、このオファーを聞いた時、（受けられないと）悔しい思いだった。朝ドラに憧れていたし。その朝に『わろてんか』が始まって、子供を抱いてみていて、私にはこの世界には縁がなかったな。子持ちだし、おばちゃんだしと思っていました。最初はやれるつもりもなかった。子供を育てることが第一にあったので」と正直に明かした。

　夫で俳優の柄本佑（３１）に相談したところ「できるかも知れないよ。ちょっと考えてごらん。バカのふりしていろいろ考えてみなよ」と言われ、「心が軽くなった」という。

　「夫にはすごく背中を押されましたね」と安藤。「夫の両親も私の父も役者という仕事をしているので、相談したら話が早くて、みんな、『なんでやらないの？』という答えが返ってきて。義理の母（女優の角替和枝）にも『これをやらないなら女優を辞めちゃいなさい』と言われて。私の母も私を育てながら仕事をしていた。家族に励まされて、やってみようということになりました。覚悟を決めてお返事をさせていただきました」と続けた。

　「これまでのヒロインの方より一回りくらい年が上なので、人間ドッグも受けて…。今、いざ出陣という気持ちになっています」と安藤。父の奥田瑛二（６２）には「これは挑戦じゃないな。冒険だな。挑戦は途中でリタイアできるけど、冒険は途中で辞められないぞ」、義父の柄本明（６９）からも「そんなのやらないわけないだろ」と言われたという。

　昨年、生まれたばかりの赤ちゃんも「一緒に（撮影の）大阪に行きます。（スタッフからも）『娘さんにとってもスペシャルな時間にしましょう』と言っていただいた。働き方改革と言いますか、娘にとっても、みんなにとっても幸せな時間にしたいと思います」と安藤は言い切った。

　制作統括の真鍋斎氏は「安藤さんは受賞歴も多数ある非常に定評のある女優さん。映画（出演）が多いという印象でしたが、こんなすごい演技をする人が朝ドラで毎朝登場してきたら、とても面白いことが起こると思った。４０年分の女性の人生を描く作品。３０歳以降の描写の方が多くなるので、年齢的にもお芝居の面でもぜひ安藤さんに出ていただきたいと思った。しかし、安藤さんはお子さんを出産して間もないので、大阪での長期の撮影は難しいと思ったが、今回、覚悟を決めていただいた」と話した。

　安藤は２０１２年に俳優・柄本佑（３１）と結婚。若手女優の登竜門的存在の朝ドラにとって、非常に珍しい既婚でママ女優のヒロイン抜てきとなった。

　「まんぷく」は世界初のインスタントラーメン「チキンラーメン」を開発した日清食品の創業者・安藤百福（ももふく）さんと妻・仁子（まさこ）さんをモデルに戦後の大阪で夫婦が力強く生き抜く姿を描く。脚本を「龍馬伝」などの福田靖氏（５５）が手掛ける。

　なお、今年上期の朝ドラ「半分、青い」のヒロインは女優・永野芽郁（１８）、来年上期の朝ドラ１００作目「夏空」のヒロインは女優・広瀬すず（１９）が務める。