ソロ元年・滝沢秀明の挑戦「大人になった実感ある」3月に36歳、ドラマで初弁護士役

スポーツ報知
 

 「タッキー&翼」の滝沢秀明(35)が主演するフジテレビ系ドラマ「家族の旅路~家族を殺された男と殺した男~」(土曜・後11時40分)が、3日にスタートする。“タキツバ”は昨年9月、15周年を機に活動休止した。ソロ元年となる2018年の活動のスタートを飾る連ドラ主演。30代後半に差しかかり、自身初となる弁護士役。年齢をかみ締めながら新たな経験を喜び、今年一年の活動テーマに「挑戦」を掲げた。

 弁護士役という新たな挑戦に、滝沢の心に熱い炎が宿る。年明けのバラエティー番組で、火山探検家としての一面を見せた。今は法曹の専門用語に悪戦苦闘するなど、身を焦がしながら、撮影に臨む日々を送っている。

 「心の中は常に燃えていますから。今は、とにかく24時間フルに『家族の旅路』のことを考えている。専門用語も多くて、頭の中がぐちゃぐちゃ。時間のある時は、ずっと台本を読んでいる。寝る瞬間まで。それぐらいやらないと追いつかない。夢にも(台本の)文字が出てくるぐらいです」

 演じるのは、30年前に自身の両親と祖父が殺害され、弁護士となった浅利祐介。犯人とされる死刑囚(遠藤憲一)の元妻の娘(谷村美月)から再審請求を依頼され、弁護士としての使命感、また一人の男として葛藤や苦悩に揺れ動く役どころだ。ドラマでは家族愛も大きなテーマの一つとなっている。

 「最終話まで台本を読むと、ものすごく家族愛というものも考えましたね。家族の幸せって何なんだろうとか。見ている方が、自分の大切な人に対しての愛情、そういったものを改めて考えさせられるドラマ。とにかく事件に対して真剣に立ち向かっていく一人の男の成長物語も同時進行である。僕も一緒に成長できればと思っている」

 第1話冒頭は一家3人の惨殺の場面から描かれ、うなされて目覚める主人公が登場する。“オトナの土ドラ”として送り出される骨太のサスペンス。重い題材に、現場での苦労も多いが、それが充実感にもつながっている。

 「役者のみなさんも入り込んでいるので、現場もあまり明るくはならない。でも、とことん、その時間を楽しむわけじゃないけど。重いなら重いなりに、真剣に向き合って乗り越えて、頑張ろうなという無言のメッセージを、みんなでやりとりしてる感じはある」

 自身がライフワークとする「滝沢歌舞伎」は、今年4~6月の上演(東京・新橋演舞場、愛知・御園座)で13年目を迎える。同作は自ら主演・演出を務め、製作を一手に担う。だからこそ、演じるだけの立場に立って思うことも多く、またそれが「―歌舞伎」へと生きてくる。

 「歌舞伎は自分が出てないシーンも自分が作っているので、すべてに自分の存在がある。でも、それ以外の作品は“料理”される側。あえて分けて考えているけど、“料理”される側だからこそ、自分じゃ気づかない自分の一面が発見できると思う」

 昨年9月に“タキツバ”が活動休止となり、ソロ元年の大きな第一歩となる今作では、ソロとして主題歌「記憶のカケラ」(発売日未定)も歌う。ソロで主演ドラマの主題歌を担当するのはTBS系「オルトロスの犬」(09年)以来9年ぶりだ。

 「(ソロ初ドラマに)思うことは全くないけど、こういった役の初挑戦という気持ちの方が強い。ありがたいことに主題歌というのもある。その辺の気合は、いつも以上にある。今まであまり歌ったことがないテーマ、テイスト。ドラマの世界に合った楽曲と出合えたこともうれしいですし、ドラマを盛り上げる楽曲になってくれれば」

 活動休止は、それぞれがスキルアップを目指した個人活動に専念することを目的に今井翼(36)と2人で決断した。休止発表時、滝沢は「この判断が間違っていなかったと後に思えるように頑張りたい」と決意表明した。

 「僕らから(休止を)発信している以上、何かしらの形をちゃんとみなさんにお伝えしないと、という思いはある。でも、今はあんまりお互いを意識していないというか、どちらかというと相手より自分。自分がどういうふうに成長できているか。自分をちゃんと見つめないといけない。1人にしかできないこと、2人でしかできないことがある。それが何か。これからいろいろ考えながらやっていきたい」

 ソロとして成長していく上で、先輩・近藤真彦(53)の勧めもあり、一昨年末から始めたディナーショーも自身の中で大きな挑戦となった。1年目は東京、大阪の2都市開催で、昨年末は5都市10公演に拡大した。

 「今まではファンの方に応援してもらうという感覚でしたけど、ディナーショーは逆に僕らがおもてなしをする時間もどこかにある。舞台やライブとは全然違う空間。僕も初めてだけど、僕のファンの方も初めての経験。みんなで一歩ずつ大人になっていく感じが非常に面白いと思った」

 初の弁護士役、そしてディナーショーは年齢を重ねてきたからこそ巡ってきたものでもある。3月に36歳を迎える。30代後半へと差しかかってきた。

 「大人になった実感はある。弁護士という役が来た瞬間に思った。今さら学生の役はできない。減る役もあるけど、同時に、今回の弁護士もそうだけど、年齢とともに増える役もあるというか。ずっと新鮮な気持ちでできる仕事だなというのは改めて感じている」

 30代後半でソロとなり、巡り合った今作は、滝沢の中でも大きな意味を持つ。

 「初めてのこともまだまだあると思うから、何でもチャレンジしたい気持ちも出てくる。このドラマもただ重いのではなく、メッセージがちゃんと詰まった作品にするために、細かいところまで気を使って作品づくりをしているつもり。一緒に泣いて、一緒に苦悩して、何かこういろんな壁を、みんなで乗り越えられるそんなドラマにしたい」(畑中 祐司)

 ◆滝沢 秀明(たきざわ・ひであき)1982年3月29日、東京生まれ。35歳。95年、13歳でジャニーズ事務所に入り、同年フジテレビ系「木曜の怪談」で主演を務める。99年にTBS系「魔女の条件」で松嶋菜々子とのダブル主演で高視聴率を記録。2002年に今井翼とのユニット「タッキー&翼」でCDデビュー。05年にNHK大河ドラマ「義経」に最年少で主演し、06年「滝沢演舞城」(現・滝沢歌舞伎)で座長を務める。10年からは演出も担当。血液型A。

 ◆躍進ジュニアの存在が若さの源

 年齢を重ねながらも、滝沢が若さを保つ源は、ジャニーズJr.ら後輩の存在がある。「『滝沢歌舞伎』とかで、Jr.の子たちと仕事をすることも多い。負けず嫌いというか、そういった気持ちの方が強くなっているかもしれないので、それが大きいかも」と語った。

 今春には、Jr.から新たな6人組「King&Prince(キング・アンド・プリンス)」のCDデビューが決まった。14年4月の「ジャニーズWEST」以来4年ぶり。昨年9月にはJr.だけで東京・帝国劇場で1か月公演を成功させるなど“タッキー時代”以来のJr.人気とも言われる。「今はJr.といえども、それぞれグループ名がある。僕らの時は、グループというより一つの集団だった。だから、僕らの時代とはまた全然違う競争があって、大変なんじゃないかなと思う」

 “キンプリ”は、6人がジャニー喜多川社長に直訴してデビューをつかんだ。「CDデビューは、Jr.がまず目指すもの。それを6人が自分たちから発信して、それを受け入れたジャニーさんも、まだまだ元気だな(笑い)。(新たなデビューは)うれしい。誰しも同じ道を通っているので、同じ思いというか。デビューしてからが、ようやくスタート。これからが本当の“キング”にならないといけない。期待していますね」とエールを送った。

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