たけし、全ての動きが止まった…大杉漣さんの才能発掘「ソナチネ」オーディションは2秒で採用

スポーツ報知
昨年9月「アウトレイジ最終章」ジャパンプレミアで舞台あいさつした(左上から時計回りに)白竜、大杉漣さん、名高達男、北野武、西田敏行

 俳優の大杉漣(本名・大杉孝=おおすぎ・たかし)さんが21日、急性心不全で亡くなったことが分かった。所属事務所が発表した。66歳だった。

 大杉さんが出演した映画「ソナチネ」「HANA―BI」などでメガホンをとったビートたけし(北野武監督、71)は、大杉さんの突然の訃報に大きなショックを受けたようだ。

 この日はテレビ朝日系「ビートたけしのTVタックル」の収録を行っていた。収録に参加した元宮崎県知事の東国原英夫氏(60)はツイッターで「大杉漣さん急死の報が飛び込んで来た。本当に吃驚(きっきょう)である。丁度、TVタックルの収録が終わったばかりで、師匠も全ての動きが止まっていた」と様子を伝えた。

 約25年前、「名優・大杉漣」の才能を見いだしたのは北野監督だった。

 舞台を中心に活躍していた大杉さんは、93年の北野監督の映画「ソナチネ」で武演じる暴力団組長の部下「片桐」を演じて注目を集めた。オーディションはわずか2秒間。大杉さんは98年の本紙のインタビューで「ドアを開けるなり『どうぞお帰りください』って。監督はちらっと見ただけ。上野動物園のパンダじゃないんだから」。

 当初は30秒の出番の予定だったが、沖縄ロケにも連れて行くなど、重要な役どころに抜てき。言葉は多く交わさずとも、実力を高く評価していた。

 98年の映画「HANA―BI」でもタッグを組んだ。大杉さんは、銃弾に倒れ、絵を描くことに生きがいを見いだそうとする元刑事役。セリフが極端に少ない難役を演じきった。同作でブルーリボン賞助演男優賞などを受賞するなど、その才能を世に広めた。

 大杉さんは昨年10月公開の映画「アウトレイジ最終章」まで、10作以上の北野作品に出演。北野監督はかつて、成功したと思うキャスティングについて大杉さんと寺島進(54)の名前を挙げたこともある。たけし軍団の水道橋博士はこの日ツイッターで大杉さんについて「北野映画の最重要俳優」とコメントし、悼んだ。

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