レコ大新人賞「UNIONE」、事務所の大先輩ひばりさんに「近づく」

スポーツ報知
個性豊かな5人の歌声が魅力のUNIONE。(左から)ISSY、YUUKI、JIN、SAM、YUTA(カメラ・池内 雅彦)

 昨年の日本レコード大賞新人賞を受賞し、人気上昇中の5人組ボーカルグループ「UNIONE」(ユニオネ)が28日に初アルバム「ONE HEART」をリリースする。国民的歌手・美空ひばりさんが所属した「ひばりプロダクション」が手掛け16年夏にデビューした個性豊かな5人は、念願のファーストアルバムに感無量。このほどスポーツ報知のインタビューに応じ、駆け抜けた昨年を糧に「未来の『UNIONE』を見せたい」と飛躍を誓った。

 とにかく歌が大好きな5人だ。ライブで約2時間のパフォーマンスを終えたあとに、打ち上げはサッと切り上げメンバー同士でカラオケに行くこともあるという。みな口をそろえて「僕たちは歌しかないんで」と言う。ポジティブに音楽への愛を語る姿がほほ笑ましい。

 初アルバムは、シングル曲5曲に、未発表曲を含む新曲7曲を加えた1枚。JIN(27)は「デビューしてから、今まで2年間の集大成というだけじゃなくて、これからの僕たちの可能性や勇気とか自信も感じてもらえる1枚になった。歌で勝負するグループだからこそ、いろんな表情の歌を見せられた」と胸を張る。YUTA(28)も「最初のシングルを出したときから早くアルバムが出したいと思っていた。毎日聴くんだろうな、と思います。未来のUNIONEに向けてアピールできる作品」と語る。

 5枚目のシングル「ロンディ」で、レコ大新人賞に輝いた昨年末を境に、5人の意識にも変化が生まれた。授賞式本番で歌唱を披露し「今までにない緊張感だった。でもあの場所で、自信を持ってステージをできたことがプラスになった」とJIN。熱のこもった歌唱はSNS上でも話題となったが「どんな状況でも自信を持って歌を届ければ届くんだ、と思わせてもらえた」と新たな階段を上ったような気持ちになったという。

 全員がメインボーカルを取れる個性豊かな歌唱力と、スタイリッシュなルックスで人気上昇中。5年前、メンバー3人が六本木のカラオケ店で歌っていたところを偶然、現在の事務所幹部にスカウトされたことが結成のきっかけだが、すぐにデビューできたわけではなかった。下積みを重ね、16年夏にデビュー。ひたむきに音楽に向き合い、着実に力をつけてきた。

 昨年4月に所属事務所の大先輩・ひばりさんの生誕80年コンサートが東京ドームで行われた際には、ひばりさんの名曲「歌は我が命」をドームのステージで披露。あえてイヤモニター(音声を正確に把握するために個別に耳に装着するスピーカー)をつけず、互いのハーモニーを信じる歌一本のパフォーマンスが話題となった。

 SAM(27)は「僕たちが言うのもおこがましいけど、ひばりさんは本当に『心』のある歌を届けていらっしゃった方。僕たちは人数も歌のジャンルも違うけど、その『心』に少しでも近づければ」と偉大すぎる天国の先輩の背中を見つめる。謙虚さを失わない姿勢と、あふれ出る歌への愛。唯一無二の魅力を持つ5人が、日本の音楽界でまぶしい光を放つ。

 ◆UNIONE(ユニオネ) ISSY(91年6月25日、静岡県出身)、YUUKI(93年3月22日、静岡県出身)、JIN(90年4月27日、大阪府出身)、SAM(90年11月25日、フィリピン出身)、YUTA(90年2月9日、静岡県出身)による5人。16年7月、シングル「One Sided Love」でデビュー。グループ名は「UNION(団結)」と「ONE(ひとつ)」の造語。

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