「メルボルン事件」で逮捕された本田千香さんが事件の全てを激白

スポーツ報知

 1992年6月に史上最悪の冤罪事件と言われ、ワイドショーを大きく騒がせた「メルボルン事件」で逮捕された本田千香さん(62)が2日放送のTBS系「爆報!THE フライデー」(金曜・後7時)に出演し、事件の全てを激白した。

 旅行中オーストラリアのメルボルン空港で友人とともに「麻薬密輸容疑」で逮捕され、10年間オーストラリアの刑務所生活を強いられた本田さんは、逮捕前日にマレーシアのクアラルンプールを経由していたことを明かした。

 クアラルンプールの現地ガイドと合流し、スーツケースなどを預け1泊。その時荷物を預けた車が盗難にあっていた。盗難騒ぎで旅行を中断し帰国を考えていたとき、その現地ガイドが荷物を発見。しかし、カバンはズタズタ切り裂かれていたと言われ、ガイドが用意してくれたスーツケースで旅行を続けることになったことを明かした。このとき「カバンが切られたのに、中身は平気だったので…変だなって思った。(スーツケースも)すごく重くって持ち上げるのがやっとでした」と当時の状況を語った。

 翌日、オーストラリアのメルボルン空港で逮捕され「本当に知らなくって、本当にやってなかったんで死刑を宣告されても無罪を主張しますって言った」と無実を訴えるも、15年の実刑判決をうけ刑務所暮らしを余儀なくされた。言葉が通じないため孤独となりイジメも受けた。さらに自殺未遂も起こしたと話し「怖かったです。(他の受刑者は)首とか入れ墨入ってって」と過酷な刑務所生活を打ち明けた。

 2002年に刑期が5年短縮され出所。日本に帰国するが刑務所暮らしの後遺症で拘禁ノイローゼとなり、今でも睡眠障害で睡眠導入剤などの薬を手放せない生活していると話した。

 当時、弁護を担当していた田中俊弁護士は本田さんの無実を証明するべく、マレーシアの現地ガイドを追跡。困難な調査にもかかわらず、現地ガイドがクレジットカード偽造で逮捕されていることを突き止め、すぐさま接見。現地ガイドの口から「ヘロインはオーストラリアでギャングが受け取る手はずになっていた。本田さんについては気の毒だ」との証言を得ていたことを明かした。

 しかし、証言だけでは無実を証明するのは不可能で、その後裁判に出廷し証言させることを試みたが、現地ガイドは出所後、再び姿を消してしまった。無実を晴らすことができなくなったと悔しさをにじませた。

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