【R―1ぐらんぷり】濱田祐太郎「漫談家で勝てたのがうれしい」

スポーツ報知
トロフィーと賞金を受け取る濱田祐太郎(カメラ・森田 俊弥)

 ピン芸人日本一を決める「R―1ぐらんぷり2018」の決勝が6日、都内で行われ、視覚障害のある芸歴5年目の漫談家・濱田祐太郎(28)が初優勝を果たし、優勝賞金500万円を手にした。濱田は「視覚障害者で優勝したということより、漫談家で勝てたのがうれしい」と胸を張った。

 生まれつき全盲に近い弱視で左目は見えず、右目は明るさを確認できる程度。視覚障害者の決勝進出はR―1史上初。この日は同僚の芸人に付き添われ、つえをつきながら、舞台に立った。「拍手がないから、お客さんいないのかと思った」、「おばちゃんに『私の顔見える』と言われた」、「優勝賞金で3Dテレビを買う」などの自虐ネタで爆笑を呼んだ。

 最終決戦では、濱田の同期で4年連続決勝進出者のゆりやんレトリィバァに7ポイント差をつけ圧勝。史上最多の3795人が参加した大会を制した。

 小学生の頃、「ビッキーズ」「ハリガネロック」の漫才を聞き、とりこになった。小中は健常者と同様の学校に通ったあと、特別支援学校に進み、マッサージ指圧師、鍼灸(しんきゅう)の資格をとった。しかしお笑いの夢を諦めきれず卒業後、吉本芸能総合学院(NSC)に入学。NSC側から「目の不自由な人をサポートする仕組みはないから、どこまでできるか分からない」と言われたが、くじけなかった。

 大阪中心に活動し、アマだった12年に人生で初めて立った舞台がR―1。7度目の出場で頂点に立った。

 賞金の使い道は、ネタとは違い「貯金します」と実直な一面も。出演したい番組は「今からボケますよ」と前置きし、「24時間テレビのチャリティーマラソンとか。僕が募金箱持って走ればお金が集まる」とまたまた自虐ネタをさく裂させた後、「声のかわいい女性タレントと、どんどん共演したい」と笑った。人気芸人への登竜門を突破した異色芸人が、今年一気にブレイクするかもしれない。

 ◆濱田 祐太郎(はまだ・ゆうたろう)1989年9月8日、兵庫・神戸市出身。28歳。特別支援学校卒業後、2012年に吉本総合芸能学院(NSC)大阪校に入学。同年のR―1ぐらんぷりでは準決勝に進出。昨年10月に「NHK新人お笑い大賞」で決勝進出を果たした。趣味はギター、大食い。身長171センチ。

 ◆投票システム

 視聴者票の1位が3ポイント(P)、2位が2P、3位が1P。審査員5人がそれぞれ3票ずつを投票する。同点の場合は視聴者票の多かった者が上位となる。

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