武富女流2級が女流初段昇段と女流名人リーグ入り

スポーツ報知
小高佐季子女流2級に勝ち、女流名人リーグ入りと女流初段昇段を決めた武富礼衣新女流初段

 将棋の第45期岡田美術館杯女流名人戦(報知新聞社など主催)予選決勝の武富礼衣(たけどみ・れい)女流2級(18)・小高佐季子(おだか・さきこ)女流2級(15)戦が9日、東京都渋谷区の将棋会館で行われ、131手で先手の武富女流2級が勝って女流名人リーグ入りを決め、規定により同日付での女流初段への昇段を果たした。

 大一番を制した武富は「挑戦する気持ち、楽しみな気持ちでのびのびと指すことが出来ました。結果も付いて来て、すごくうれしいです」とフレッシュな笑顔を浮かべた。得意の居飛車穴熊に構え、中盤でペースを握ると、終盤は小高の猛追を受けながらも落ち着いて寄せた。

 小高は研修会時代から共に女流2級(女流棋士正資格)を目指した後輩であり、友人。先月7日、偶然にも女流2級に同日昇級を果たすと、リーグ入りと昇段の懸かる一局を戦う運命になった。「すごく仲は良いですし、切磋琢磨する間柄ですけど、将棋が始まれば敵ですし、後輩だから負けられないという思いもありました」。勝負師として、先輩としての貫禄を示した。

 リーグでは、女流棋界のトップ10人と里見香奈女流名人(26)=女流王座、女流王位、女流王将、倉敷藤花=への挑戦権を懸けて戦う。「強い方ばかりに9局も指せて力試しが出来るのはすごくうれしいです」と喜びつつ「リーグで指せるということは挑戦の目がある中で指せるということなので、もちろん、挑戦を目指して戦いたいです」と大きな目標を見据える。

 「女流名人リーグ入り」の規定を満たし、女流1級を飛び越して一気に女流初段昇段を果たしたが「あまり実感はないです。リーグ入りできたことの方が大きいです」と語る。佐賀市在住で、春からは立命館大学に進学。既に卒業式も終えた女子高生がJKとして最後の一局を飾った。

 一方、大一番を落とした小高は「プレッシャーで頭がぐちゃぐちゃになってしまいました」と残念そうな表情。「でも、決勝を指せること自体があまりない機会なので一手一手を大切にしたいと思い、大切に指しました」と謙虚に振り返った。

 ちなみに、普段はLINEなどで頻繁にコミュニケーションを取り、プライベートも含めて相談し合う仲の2人だが、対戦が決まった日からは一度も連絡を取っていない。

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