吉永小百合、映画は子どもです…「北の桜守」初日舞台挨拶

女優・吉永小百合(72)が10日、東京・丸の内TOEIで120本目の出演映画「北の桜守」(滝田洋二郎監督)の初日舞台あいさつを行った。製作・配給の東映によると、興収20億円視野の好調な滑り出し。
朝一番の上映後の舞台あいさつ。エンドロールで拍手が起き、吉永がマイクを持ち「いかがだったでしょうか」と問い掛けると、観客から「よかったよ!」の声が。3か月間の全国キャンペーンで移動した総距離は約1万キロ。途中、インフルエンザで無念のダウンがあったものの、あらゆるメディアを駆使し、約400媒体の取材を全力でこなしてこの日を迎えた。
1959年に映画デビューし約60年間積み重ね、120本目。司会者から「映画とは?」の質問が。「う~ん、難しいですね! “子ども”ですね、やはり。この映画をどう受け止めてくださるのか。受験生を持つ母親の心境で、昨夜は心配で眠れませんでした」。9日は、おにぎりを握るシーンのため、練習で膨大に握って冷凍室にあったおにぎりをぞうすいにして食べて初日に備えた。
堺雅人(44)が吉永と親子役、義理の娘を篠原涼子(44)が演じた。時に恋人のようにも映る親子像に篠原も感化された様子。「私も子どもがいますが、2人(吉永と堺)の姿を、こういう親子っていいなあと憧れながら見ました」と話した。
いろいろな意味で戦争の凄惨(せいさん)さも描かれる今作。吉永はライフワークとして原爆詩だけでなく、福島支援で“原発詩”の朗読も続けている。11日で東日本大震災から7年。この日に封切りを迎えられるありがたさ、重みをかみしめる。「犠牲になられた方、今なお苦しんでいる方がいらっしゃる。そんな中で初日を迎えられることに心から感謝しています」。目に涙があふれていた。
製作・配給の東映によると「北のカナリアたち」(12年、阪本順治監督)の興収(14億4000万円)の110%の動員で推移しており、興収20億円を見込める好調な滑り出し。場内は“満開ムード”に包まれていた。