尾上菊之助、巡業会見で坂東三津五郎さんの思い出語る

スポーツ報知
会見した尾上菊之助

 歌舞伎俳優の尾上菊之助(40)が19日、都内で巡業公演「松竹大歌舞伎」(東コース・6月30日~7月31日、全42公演)の製作発表に出席した。

 今年は「近江のお兼」「曽我綉侠御所染(そがもようたてしのごしょぞめ)」「高坏(たかつき)」を上演。菊之助は「曽我―」で御所五郎蔵、「高坏」で次郎冠者を演じる。座頭を務めるが「これまで父の元で巡業を回らさせていただきました。(今回は自分が)一座のことを気にかけないといけない。どういう風に歌舞伎の魅力を伝えられるか」と気を引き締めた。

 全国を回るとあって「食」も楽しみの一つ。「インターネットでおいしい店を探しながら食べにいくのが楽しみ。まずは札幌でビールとジンギスカンですね」と笑顔を見せた。

 巡業の思い出について、2013年に共演予定だった坂東三津五郎さんが、すい臓がんのため休演したことに触れ「三津五郎兄さんが初日にいらして『いつかやろうね』と仰ったことが心に残っています。ごめんね、と時計を買って来て下さった。宝物です」と振り返った。

 現在、国立劇場3月歌舞伎公演「梅雨小袖昔八丈 髪結新三」で長男の寺嶋和史(4)と共演しているが「自分の息子が同じ舞台に出る状況になると、けいこも厳しくなります。お金を払って見に来て下さるお客様がいるので、しっかりしたものをつないでいく第一歩なんだなと。自分自身、先輩方から受け継がねばいけないことがたくさんある。くらいつきつつ、息子にも厳しく芸を伝えて行きたい」と語った。

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