真風涼帆&星風まどか、宙組誕生20周年の節目に芸名通り新しい“風”

スポーツ報知
「宝塚のため、宙組のため。思いは変わらない」と言葉に力を込めた宙組トップスター・真風涼帆

 宝塚歌劇宙組の新トップコンビ、真風涼帆&星風まどかの大劇場お披露目公演「天(そら)は赤い河のほとり」「シトラスの風―Sunrise―」が兵庫・宝塚大劇場で上演中。宙組誕生20周年の節目に、芸名通り、新しい“風”を吹かせている。入団から丸12年で本拠地センターに君臨する真風は「もっともっと上を見て、しっかりしなければ」。100期生で5年目に入った星風は「舞台人として自覚と責任を持って務めたい」と精進している。(筒井 政也)

 「ザ・男役」という表現がピッタリの精悍(せいかん)さ、存在感の大きさ。大劇場の器にふさわしい新トップが本格始動した。

 1月の東京国際フォーラム公演「WEST SIDE STORY」で“プレお披露目”を務め上げ、今度は宙組を一丸にまとめて本拠地へ。「全員の真ん中に立つのは、それだけの圧、みんなの視線を感じるんだなと、稽古場から感じています。宙組に来てから(2015年~)、ずっとこの組をよくしたいと思っていた。トップになったからといって、その思いは変わりません」。不動心で、新たな宙組の歴史を紡ぎ出す。

 先月19日に20周年記念イベントが開催され、歴代の8人のトップと共演。「改めて20年分の思い、伝統を肌でリアルに感じました。ありきたりの言葉ですが、つなげていけるような舞台を作っていかないと」。パートナー・星風とは「100回の練習より、1回の公演。そこで培われていく信頼関係が、強く、大きい」と、生の舞台を積み重ねる大切さを強調する。

 連日、奮闘中の「天は―」は、以前から漫画を読んでおり「憧れられる存在になれるように」と“プリンス”ぶりに磨きをかける。

 宙組誕生時の伝説のショー「シトラス―」は、全国ツアーの「3」で経験済み。「同期の松風輝(あきら)はずっと宙組ですが、初めてだったり。私は2回目、少し誇らしい(笑い)。『明日へのエナジー』を踊ると『自分は宙組生なんだ』と身が引き締まります」。06年の初舞台が宙組だったこともあり、「不思議なご縁。20周年の瞬間にいられるのは貴重な経験ですね」。

 2番手として花組から移ってきた芹香斗亜(せりか・とあ)は星組時代で若き日を共に過ごした仲(07~12年)。「5年半ぶりですね。懐かしい部分と、新鮮さがあります。知らない部分が感じられて面白い。刺激し合える、成長し合える関係を舞台上で作れたら」。運命の導きで再会した2人の絆も、新生宙組の見どころだ。

 星組時代、その大きな背中を見つめた元トップスター・柚希礼音からは「WEST―」の上演の際に、温かい言葉をかけられたという。「その言葉は私にとっての宝物なので、お教えできません(笑い)。でも、それで頑張らなきゃ、ダメでしょう!」。数々の先人から夢のバトンを託され、大きな羽を背に、天高く上り詰める。

 ◆真風 涼帆(まかぜ・すずほ)7月18日生まれ。熊本県菊池郡出身。2006年3月「NEVER SAY GOODBYE」で初舞台。92期生。星組に配属され、新人公演主演5回。11年「ランスロット」で宝塚バウホール初主演。13年「日のあたる方へ」で外部劇場初主演。15年5月、宙組に組替えされ、17年11月にトップスター就任。身長175センチ。愛称「ゆりか」「すずほ」。

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