岡山天音、「『未知』を託される俳優でいたい」インタビューで野望語る

スポーツ報知
人との出会いを通して成長を重ねてきたと語る岡山天音

 23日夜に前編が放送されたフジテレビ系ドラマ「平成物語」で民放初主演を果たした俳優の岡山天音(あまね、23)がこのほど、スポーツ報知のインタビューに応じた。メイン出演者だけでなく、監督や脚本などスタッフも全員が平成生まれによる意欲作で、30日の後編(深夜0時55分=関東ローカル)を前に「初主演がこの作品で恵まれてる」と感無量。今年は主演作が続々と控えており、活躍が期待されるが「『未知』を託される俳優でいたい」と野望を語った。

 「平成物語」は、平成元年生まれの主人公・平成(ひらなり)が、地元の幼なじみ・結(ゆい)、上京後の平成の恋人・紡(つむぎ)らと過ごす30年を、当時の事象や音楽とともに描くドラマ。希望しかなかった青春時代や挫折、恋などがリアルに描かれ、23日夜に前編が放送されるとSNS上で「グサグサくる」「思い出をえぐられる」などの感想が飛び交った。

 撮影は短期間だったが「その短さに比例しないぐらい、思いが濃い撮影でした。民放初主演がこの作品で本当に恵まれてます」と岡山は振り返る。スタッフは全員、平成生まれ。「19歳の助監督さんが小道具のガラケーの操作の方法を知らなくて、僕が教えてあげたりしましたね」

 年を重ねるたびに、平成は現実を知り、そして大人になっていく。「プロデューサーさんとも『どれだけ生々しくやるか』と話し合いました。脚本を読んでいても、過去や今の自分を突きつけられている感覚。目をそらしたくなったり恥ずかしくなったりもしましたけど、そこにすごくひかれた」と、弱さもしっかりと受け止めて演じた。

 柔和なまなざしは、笑みをたたえているようにも、泣いているようにも見える。17日に封切られた、荒井敦史(24)とのダブル主演映画「神さまの轍」(作道雄監督)でも「平成―」同様、等身大の若者を演じているが「僕もわりと、平均的に浮足立たずに生活しているほうなので、役と一緒にいたがってる感覚みたいなものはありますね」と語る。「普通」を演じることのできる貴重な俳優だ。

 09年に「漫画家になりたい」という夢を書きつづり応募したNHK「中学生日記」のオーディションに合格。自身にあて書きされたシナリオを演じ「すべてが事件だった。それまでの自分から『ぴょんっ』と飛躍した気がした」と、役者の道への扉が開いた。

 今年は映画「愛の病」(1月公開)、BSスカパー!の連続ドラマ「I”s」(年内放送)など主演作が続くが「ここまで前向きにやってこられたのは、人との出会いが大きい。人が僕のことを見てくれて、その人の人生から振り絞られる言葉に助けてもらってきた」。表現を豊かにしてくれる仲間の存在を支えに、ここまで歩いてこられた。「まだ僕には、やってないことがめちゃめちゃある。未知のことを託したくなる俳優でい続けたい」と、開拓者であり続けることを誓った。

 ◆岡山天音あらかると

 ▼生まれ 1994年6月17日、東京都出身。

 ▼本名です 「あまね」の音の響きが好きだった母が命名。名字と間違われることもしばしば。

 ▼受賞 17年、主演映画「ポエトリーエンジェル」での演技で高崎映画祭の最優秀新進男優賞に輝く。

 ▼ギター 「平成―」ではバンドマン役で、ギターの演奏シーンも多かった。「この機会に本格的に始めたい」と購入を決意。

 ▼つぼ田つぼ助 17年上期のNHK連続テレビ小説「ひよっこ」では、ヒロインが東京で暮らすアパートの住人役。浅香航大との漫画家コンビでベレー帽をかぶり存在感。

 ▼「かっぱ寿司」CM 昨年7月から、かっぱ寿司社員「かっぱ」役で「やる、しかない。」シリーズに柄本明、吹石一恵らと出演中。

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