「北の桜守」で認知症の演技に挑んだ吉永小百合、介護で働く新入社員に熱いエール送る

スポーツ報知
映画「北の桜守」のイベントに登壇した精神科医の和田秀樹氏(左)と吉永小百合(カメラ・生澤 英里香)

 女優・吉永小百合(73)が4日、東京・丸の内TOEIで公開中の映画「北の桜守」(滝田洋二郎監督)の上映イベントを行った。

 3日に興収10億円を突破。観客との質疑応答では女性客から、吉永演じる主人公が終盤で見せる60代後半の白髪姿に「あれは老けすぎです」と指摘が。吉永は「あのラストは髪も白くなって悲しいこともすべて忘れて幸せになろうとするシーン」とメルヘン的な意味も含まれていると説明。そして「メーキャップの人とも相談しながらやりましたが、ちょっと行き過ぎだったかもしれませんね」と苦笑した。

 しかし同席した精神科医の和田秀樹氏は、アニメ「サザエさん」の磯野波平が54歳、フネが50ぅん歳という設定を引き合いに出しながら「映画の1970年代と今とでは若返っていて全然違うんです!」とフォロー。吉永の“老け役姿”に間違いがないことを強調した。

 また映画では戦中、戦後を生きる主人公が、認知症的な症状とも苦悩するシーンや親の介護について考えさせる場面が出てくる。この日は、介護で働く新入社員も鑑賞した。

 吉永は約4年間、病気と闘い90歳で他界した母親との思い出を紹介。「亡くなる2か月前に車イスからイスに移るとき、私がうまくできなかったために、母と一緒に車イスもろともに転んでしまい、母に痛い思いをさせてしまった。あのとき、もっとやり方を知っていれば」と今も悔やまれるという。

 そして新入社員たちには「義母は最後、施設で過ごし102歳まで生きました。スタッフの温かさ、お心でお年を召した方が元気になる。介護の仕事は毎日、毎日大変で壁にぶつかることもあると思いますが、乗り越えて少しずつ前に進んで行って欲しい」とエールを送った。

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