クリス・ハート、活動休止前最後の単独コンサート「引退するわけじゃない」

スポーツ報知
活動休止前のラストライブに臨んだクリス・ハート(右)と村上佳佑

 歌手のクリス・ハート(33)が13日、東京・NHKホールで活動休止前最後の単独コンサートを行った。

 いきものがかりの「YELL」の歌唱前だった。静まりかえる場内。「サヨナラじゃないから、サヨナラは言いたくない。引退するわけじゃない」と率直な気持ちを語った。15年夏に帰化申請し、17年3月までに日本国籍を取得。「日本人になったし、アメリカには帰れない。日本で頑張ろうと思う」。長男(2)、長女(6か月)の2児の父親のハート。今後は、育児と作曲、プロデュースなどの音楽の勉強に力を注ぐ。

 米サンフランシスコ生まれ。ジャズ・ベーシストの父親、クラシック・ピアニストの母親の影響を受けて育ち、中学校で日本語を受講したのをきっかけに日本文化に興味を覚えた。ケーブルテレビから流れる小田和正、徳永英明らの歌声に魅了され、2009年に来日。自動販売機の営業の仕事をしながら生計を立て、歌手の夢を追いかけた。

 転機は12年、日本テレビ系「のどじまん ザ!ワールド」。伸びやかで美しい歌声は注目を集め、「奇跡の歌声」と称された。この日は、3500人を前に紅白歌唱曲「糸」、「TOMORROW」など23曲で伸びやかな歌声。47都道府県ツアー(16年)のコーラスを務めた村上佳佑(28)のために初めて作曲したという「ファンファーレ」をコラボ歌唱し、デビュー曲「home」をアカペラで歌い上げた。

 13年のデビュー後、NHK紅白歌合戦に2度(13、14年)出場。「どこの会場よりもNHK(ホール)でやりたかった」と言うほど、単独でのラストステージに強いこだわりを持って挑んだ。約2時間半のパフォーマンス。ハートは時折、声を詰まらせながら「本当に皆さんのおかげです。5年間、皆さんと過ごせて幸せでした」と感謝。「いろいろなことにチャレンジして、新しい『クリス・ハート』とまたステージに立ちたいと思う」と約束した。

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