桜井日奈子、初主演、キスシーンも体当たりで熱演!映画「ママレード・ボーイ」 27日公開

スポーツ報知
「人の心を動かせるような女優になりたい」と抱負を語った桜井日奈子(カメラ・小泉 洋樹)

 女優の桜井日奈子(21)が初主演した映画「ママレード・ボーイ」(廣木隆一監督)が27日に公開する。累計1000万部超えの吉住渉氏の人気少女漫画を実写化。W主演の吉沢亮(24)とのキスシーンを始め、何度も号泣、全力疾走とさまざまな表情を体当たりで演じた。「岡山の奇跡」として人気を集め、女優デビューしてから2年。映画出演は2作目と演技経験は浅く、「初主演でこの作品に出会えたことは奇跡的です」と目を輝かせた。

 「ママレード・ボーイ」は1992~95年に少女漫画誌「りぼん」で連載され、漫画は1000万部を突破。「だ・け・ど気になる~」と歌い出す主題歌で始まるアニメも大ヒットした。だが、97年生まれの桜井はどちらも全く知らなかった。「生まれてないですからね。今回初めて漫画とアニメを見ました。20年以上前の話だけど、逆に新しいなと。すごくトキメキました」

 高校生の光希(桜井)と遊(吉沢)の両親が互いに離婚した相手を交換して再婚し、6人2家族で同居するラブストーリー。「ぶっ飛んだ設定で斬新だなと。漫画は一気に読み進んじゃって、瞬殺でした」

 昨年オファーを受け、11月~今年1月に撮影。2作目の映画出演での初主演は重圧があった。「ドラマも含めて数えるほどしか作品をやってないので、2本目だし大丈夫かな…と。最初の本読みで、漫画の実写化だからハイテンションでデフォルメされたお芝居かなと考えて読んだら、廣木監督が『全然伝わらない、もっとナチュラルに』と。実写化を意識させない演出で、自分の考えと180度違ってて衝撃的でした」

 試行錯誤しながら、監督が求める自然な芝居に少しずつ近づけた。「撮影の中盤、自分の演技が不安で悩んでいて2人で話したんです。監督の『普通に』という指示が分からず消化しきれてないと伝えたら、『自分が思う普通でやればいい』と言ってくれて、肩の荷がスーッと下りました」

 真っすぐで明るい光希を好演。両親の離婚&再婚に不満でムスッとした顔、全力疾走、号泣シーンとさまざまな表情を見せる。「漫画を読んでた世代の方から『等身大に近い』と言われて、あまりキャラクターに似せようとしすぎずにやった。ダッシュするシーンが多いけど、私も足は速いんです。脚力は自信たっぷりなので、全力で走りました。涙は泣こうと意識しなくてもドライの段階からあふれてきました。唯一、遊に別れを告げられるシーンはものすごく寒い中でショートパンツで、ダイレクトで寒さを感じて大変でした」

 吉沢との保健室のベッドでのキスシーンは準備万端で臨んだ。「緊張しましたね。私、けっこう食べかすとかつけちゃうので、撮影前に入念に口の周りをチェックしました。以前、舞台(16年『それいゆ』)で青のりを前歯につけたまま(相手役の中山優馬に)キスしてしまったので、その反省で(笑い)。光希は目をつぶってるからどのタイミングで来るかドキドキで胸がキュンとしました」

 両親のキャストは、檀れい、筒井道隆、中山美穂、谷原章介と超豪華だ。「4人は初対面なのに初日から家族の空気感ができてて支えられました。皆さん監督の話に自分の意見をおっしゃってて、私ももっと引き出しが増えればこうなれるかなと。4人は自由すぎて浮いてるキャラで、谷原さんや檀さんが『光希ちゃんのことイライラさせるから任せて』と言ってくれたり、和気あいあいでした」

 完成した作品には「本当に感動した」という。「初主演でこの作品に出会えたことは奇跡的です。漫画と実写映画は別物なので『原作と全然違う』と思われてもそれでいい。映画の良さを感じてほしい。光希ちゃんの一生懸命さにかわいいなと思ってもらえたら」

 岡山出身の美少女で「岡山の奇跡」として注目を浴び、女優デビューから2年。理想の女優像は―。「自分が思うより早く主演のオファーが来てとまどいもあります。今回、両親の4人や吉沢さんとお芝居をして、自分の力不足、引き出しのなさを痛感した。たくさん作品に出て、引き出しを増やしてもっと自由にお芝居するのが目標です」

 理想の女優には安藤サクラ(32)を挙げた。

 「出演作は全部見てるくらい好きな女優さんで、どこまでもストイックに役に向き合う姿に感銘を受けました。私、映画を見る時はキャストで選ぶんですけど、『桜井日奈子が出るから見よう』と思われる女優になりたい。見る人の心を動かせるお芝居をしたい」

 ◆監督の一言 

 廣木隆一監督「(桜井は)まだ決まったイメージがついていない人なので、これからいろんな可能性がある。そこが面白かったし、これからが楽しみです。光希が保健室で遊にキスされた後の戸惑いの表情がすごくよくて、ああいうのは『やってみて』と言ってもできるものじゃない。本人は無意識でしょうけど、あの自然な顔が撮れたのはよかったと思います。僕の撮影は基本順撮りですが、後半になるにつれて彼女の表情がどんどんよくなっていったのは印象に残っています」

 ◆桜井 日奈子(さくらい・ひなこ)1997年4月2日、岡山県生まれ。21歳。2014年「おかやま美少女・美人コンテスト」でグランプリを獲得。15年に大東建託「いい部屋ネット」のCMで話題に。16年春に上京し、同5月舞台「それいゆ」で女優デビュー。同10月、日本テレビ系「THE LAST COP/ラストコップ」、17年5月に同作の映画版に出演。18年11月、ヒロインを務める映画「ういらぶ」が公開予定。特技はバスケットボール。身長160センチ、血液型O。

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