稚内に小百合パーク「胸いっぱい 北海道オタクなのでうれしい」

スポーツ報知
館内に劇中で使用した「江蓮」家の表札を再びはめ込んだ吉永小百合

 女優・吉永小百合(73)が29日、北海道・稚内市のメグマ沼自然公園に完成した「北の桜守パーク」オープニングセレモニーに参加した。主演映画「北の桜守」(滝田洋二郎監督、公開中)のロケセットが改装され、同作の“博物館”としてオープン。テープカットには約500人が駆けつけ、「胸がいっぱい。公開後、燃え尽きたが、こんなに大勢集まってくださり、また映画のすばらしさを感じた」とあいさつした。

 日本最北端に小百合印。パークの命名も看板の題字も吉永自身が手掛けた。白いスニーカーと白のスーツ姿で登場した吉永は「北海道オタクなのでうれしい。空港から車で1分。しょっちゅう来てチェックしたい」と笑顔。同市の工藤広市長も夏の観光シーズンに向け「日本最北端の地に新名所」と期待を寄せた。

 「北の桜守パーク」は吉永にとっては、劇中で出征する夫(阿部寛)に妻役の吉永が「私の好きな人、死なないで」と“激白”するシーンを撮った忘れられない場所でもある。主人公が暮らす江蓮家自宅を改装した館内には多くの場面写真が展示され、特別のメーキング映像が上映される。小さな神社のほか、小道具や吉永が実際に着用した衣装もあり「手で触って楽しんでもらいたい」。COCOAR2(拡張現実システム)というアプリを使って吉永とツーショットが撮れるコーナーも。「マジックみたいですね」と本人も驚いた。

 吉永の主演映画でロケセットが公開されるのは、「北の零年」(05年、夕張市)、「北のカナリアたち」(12年、礼文島)に続いて3作品目。同館は10月31日までの期間限定(入場無料)だが、吉永も「より良いものに。リニューアルも考えています」。映画は興収10億円、動員100万人を超えたが、今もキャンペーンで全国各地を精力的に回っている。開館を待ちわびる列を見て「次の仕事の活力をいただいた思い」と121本目の映画作りへの熱意ものぞかせた。

 原爆詩の朗読をライフワークにし、核廃絶を訴えてきた吉永。27日の南北首脳会談で朝鮮半島の非核化に向けて、韓国と北朝鮮が合意したことについて「もとは同じ国ですから(会談は)すばらしいこと」と評価。「これからもっと行き来ができて平和になって核兵器もなくなれば日本も“核の傘”に入らなくていい。世界に核兵器禁止をさらに大きく言えるのでは」と話した。

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