ノッチ、“脱オバマ”健康芸人に!今年こそ「CHANGE」

スポーツ報知
健康マスター認定証と応急手当普及員認定証を披露するノッチ(カメラ・能登谷 博明)

 今回は、お笑いコンビ「デンジャラス」のノッチ(52)。1990年代に一発ギャグ「ノッチで~す」、最近では2008年に就任した米オバマ前大統領のものまねでブレイクしたが、オバマ氏退任後に仕事が激減。途方に暮れていたが、今は7年前に始めたトライアスロンにはまっている。健康に目覚め、資格も取得した。芸歴30年にして「仕事の幅が広がりそうです」と笑顔。“健康芸人”として新境地を開拓する。

 オバマ前大統領が退任して1年以上が経過。ノッチは悩んでいた。

 「オバマさんが辞めたら、何だか僕も辞めたみたいになった。友人たちからも『大丈夫?』と心配される状況です」

 そっくり芸人として活動していただけに、仕事は激減した。トランプ大統領誕生直後は金髪のカツラにスーツも新調して臨んだが、ロケを見物していたお年寄りから真顔で「やめた方がいい」と言われる始末。“後任”も探したが、オバマ氏ばりの「CHANGE」は難しい状況だ。

 「格闘家だとヴァンダレイ・シウバ。タイ国王のラーマ10世も考えました。シウバだと知名度がいまいちだったし、国王はそもそもギャグにしていいのか。さまざまな問題もあり断念しました。本当に似ているんですけどね~」

 余った時間を生かして熱中しているのがトライアスロンだ。2011年に番組の企画で始め、今では「ショート」「ロング」などの数種類の距離があるうち、最も過酷な「アイアンマン」(水泳3・8キロ、自転車180キロ、マラソン42・195キロ)も走る。

 「アイアンマンの1回と別の1回と合わせて年に2回は完走しています。昨年4月には宮古島で計202・195キロを完走しました」

 最後のランだけでフルマラソンと同じ長さ。途中、何度も何度もくじけそうになるという。

 「38キロくらいでは本気でリタイアを考えますが、40キロを過ぎると『あと2・195だ』と元気になるんです。最後は2キロくらい手前から観客が応援してくれます。ヒーローになった気分です。『走れメロス』みたい。走った直後は二度とやるまいと思うのですが、1~2か月たつと、あの快感を味わいたくなる」

 合計約13時間の過酷なレース。沿道には妻の友美さんが付き添う。友美さんと言えば、バラエティー番組などで夫のギャグのキレが悪いときに厳しい言葉で説教。夫を売れっ子にするために“ドS”キャラに徹する姿が、ノッチより人気になったが、トライアスロンは全力サポートをしてくれているという。

 「朝から晩まで一緒にいてくれて水やサプリメントを渡してくれる。勉強もしてくれているようで、かなり競技に詳しくなりました」

 何げなく参加した分野だが、徐々に周囲にも浸透しつつある。

 「顔見知りが増えてくると、スタッフから『次も登録しとくよ』と輪が広がってきました。大会のゲストランナーに呼ばれることも増えてきています。ゼッケンも(本名の)『佐藤望』だと誰も分かってくれないので、ノッチかオバマにしようと思っています」

 レースに参加するためには日常の健康維持が不可欠。健康について勉強を始めるうち先月、運動や睡眠、心のケアなどを教えることができる一般社団法人・日本健康生活推進協会が認定する「健康マスター検定」にも合格した。

 「実は昨年不合格になって涙をのんだ。2月から1年以上、猛勉強したのでうれしいです」

 インタビュー当日に協会から認定証が届き、満面の笑みを見せる。2015年にも東京消防庁が認定する「救命応急手当普及員」に合格。AEDの使い方や応急手当て、人命救助の方法を先生として教えることができる資格だ。友美さんも「真面目か!」と言いながらも一緒に喜んでいるという。

 今年、芸歴30周年を迎えた。これまで山も谷もありながら地方営業やバラエティー番組の単発出演などで食いつないできた。

 「今後、勉強してきた健康の知識とトライアスロンでの経験などを生かして、仕事の幅を広げたい。健康番組やイベントなどにも参加できれば」

 書家としても活動する、モンキッキー(49)ら特技を仕事に生かすお笑いタレントも多い。脱オバマへ向け“健康芸人”としての新境地を開拓できるか。今年こそ「CHANGE」を目指す。

 

 ◆ノッチ(本名・佐藤望)1965年7月26日、愛媛県生まれ。52歳。88年3月に安田和博(50)と「デンジャラス」結成。ボケ担当。90年代に「タモリのボキャブラ天国」に出演し人気に。2008年、当時のオバマ米大統領のものまねでブレイク。大統領本人から“公認”され、米国の新聞でも紹介された。中学高校は陸上部。高校時は3000メートル障害で四国大会3位に入賞。

芸能

×