役所広司、主演作「孤狼の血」は「『正義とはなんじゃ』と思ってくださる映画」

スポーツ報知
公開記念イベントで談笑する(左から)白石和弥監督、役所広司、原作の柚月裕子先生

 俳優の役所広司(62)が5日、東京・紀伊国屋ホールで主演映画「孤狼の血」(12日公開、白石和彌監督)の公開記念トークショーを行った。

 昭和63(1988)年の広島を舞台に、警察や極道の世界を生きる男たちの狂熱を描いた作品。衣装や小道具などを展示している特別展(31日まで)を行っている紀伊国屋書店新宿本店でテープカットを行った後、トークショーに臨んだ役所は、作品を見た感想を「冒頭から『さあ、久しぶりにこれでも食らえ!』という監督と東映さんの心意気を感じてワクワクしました」と笑顔。自ら「汚れた街に舞い降りた天使」と表現する主人公の破天荒な刑事役では、たばこをくゆらせるシーンも印象的だが「実は禁煙をしたばっかりでこの役が来て…忘れかけていたのに…」と告白。さすがは名優で、撮影後は難なく禁煙生活に戻ったらしい。

 公開直前となった本作について「今、なかなかこういう映画の企画は通らない。参加できたことを嬉しく思いますし『正義とはなんじゃ』と思って下さる映画になっていると思います。これを機に日本映画が活気付くといいですね」と希望を語った。

 原作者の柚月裕子さん(49)による続編「凶犬の眼」も既に刊行されている。白石監督は、映画での続編についても「ヒットして、みんなが行きたい、となったら行きたいです。柚月さんは『孤浪の血が赤い炎ならば凶犬の眼は青い炎。青い炎の方が温度は高い』と仰ったので、そんな映画をもし作れたら」と意欲を示した。柚月さんは「見終わったら、じっとしていられないような熱量を得られる映画。ぜひ劇場に足を運んでいただけたら」と呼び掛けていた。

 〔「孤狼の血」あらすじ〕昭和63(1988)年、広島県呉原市。国立大卒の新人刑事・日岡秀一(松坂桃李)は県警呉原東署の暴力犯捜査係に配属される。直属の上司になったのが暴力団との癒着もウワサされる破天荒な敏腕刑事・大上省吾(役所広司)だった。

 巨大組織・五十子会系の加古村組と地元・尾谷組の抗争の火種がくすぶる中、加古村組関連企業・呉原金融社員失踪事件が発生。殺人とにらんだ大上は日岡を連れ、捜査に奔走する。

 「警察は何をしてもいいんじゃ」と言い放つ大上の捜査手法に疑問を抱いた日岡は、尾谷組若頭の一之瀬(江口洋介)や五十会系右翼団体の瀧井(ピエール瀧)と大上との癒着を疑い始める―。

 原作は柚月さんが2015年に発表した同名小説。日本推理作家協会賞を受賞、直木賞候補作となった。

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