“新御三家”郷ひろみ「長男は五郎、次男は秀樹、末っ子がボク」

アイドル時代、西城さん、野口五郎(62)らと「新御三家」と呼ばれた郷ひろみ(62)も、「秀樹が先に逝ってしまったこと、とても悲しい気持ちでいっぱいです」などと盟友との別れを嘆いた。西城さんは海外のロックから学んだ野性的な歌唱スタイルで女性ファンの心をわしづかみにした。シングル売り上げは男性ソロ歌手で史上6位となる1159・3万枚。初の野球場コンサートを開くなど、時代を切り開いたパイオニアだった。
1970~80年代をリードする存在だった「新御三家」。1955年生まれの同い年ながら、誕生日もレコードデビューも数か月、西城さんのほうが先輩であることから、西城さんを兄貴分として慕っていた郷は、所属事務所を通じ「同世代として、とても残念です。ボクの中で長男は五郎、次男は秀樹、末っ子がボクでした。秀樹が先に逝ってしまったこと、とても悲しい気持ちでいっぱいです」とコメントを出した。
郷は現在、27日からスタートする全国ツアーのリハーサルに臨んでおり、この日の午前中、リハーサルの合間に訃報を知らされたという。関係者によると、「同じ時代を生きた仲間で兄のような存在だっただけにショックは大きかったようです」というが、悲しみをこらえ午後からもリハに集中したという。
正統派のアイドルとして、かわいらしい少年のイメージでデビューした郷とは対照的に、西城さんの持ち味は男らしくワイルドなパフォーマンスが持ち味だった。舞台裏でも面倒見がよく「デビュー当時、右も左もわからなかったボクに、『ひろみ、何かわからないことがあったらオレに聞いてくれる』と親身になってくれたこと、一生忘れません」と在りし日をしのんだ。
16年2月には、還暦と芸能生活45周年を記念し、「週刊新潮」の企画で新御三家が鼎談(ていだん)。西城さんは「お互い特別な存在。2人がいたから俺も頑張ろうと思えた」と語っており、よきライバルであり、運命共同体でもあった。鼎談ではタイムスリップしたかのように思い出話に花を咲かせたが、結果的にそれが最後の対面となってしまった。
25日の通夜には、ツアー直前の多忙なスケジュールを調整し参列するとみられる。「こころからお悔やみ申し上げます」と、天国に旅立った盟友を悼んだ。