ハウス食品「カレーを国民食にした」CM「ヒデキ、感激!」…西城秀樹さん死去

スポーツ報知
1974年「バーモントカレー」CMのアップル篇に出演する西城秀樹さん(ハウス食品提供)

 「傷だらけのローラ」「YOUNG MAN(Y.M.C.A.)」などのヒット曲で知られる歌手の西城秀樹(さいじょう・ひでき、本名・木本龍雄=きもと・たつお)さんが16日午後11時53分、急性心不全のため横浜市内の病院で死去した。63歳だった。広島県出身。2003年と11年に脳梗塞で入院し、右半身麻痺(まひ)のリハビリをしながら音楽活動を続けていた。4月25日夜に横浜市内の自宅で倒れ、3週間、病床で闘ったが、最後まで意識は戻らなかった。

 西城秀樹さんが1973年から85年までCMのキャラクターを務めたカレールー「バーモントカレー」のハウス食品(東京都千代田区)は17日、追悼コメントを発表した。「ハウスバーモントカレーだよ~♪」と西城さんが歌い出すCMは視聴者に強烈なインパクトを残しただけに、同社は「テレビCMは大変好評をいただき、そのお陰もあって今日カレーライスが国民食とまで言われ、皆さまに愛されるようになりましたものと大変深く感謝しております」と最大級といえる謝辞を表した。

 バーモントカレーは「大人の食べ物だったカレーを子どもたちにも」が開発当初の基本概念だった。西城さんはデビュー2年目、18歳の時に初起用された。雪山ロッジや夏のリゾート地などをイメージした季節感があるセットで、西城さんが子どもたちとアクティブに登場するのが基本パターン。「ヒデキ、感激!」のキャッチコピーは、ゆっくりと回転するリンゴに蜂蜜が垂れていく映像とともに昭和の家庭で愛された。

 パッケージを刷新した80年からは、当時「ヒデキの妹」のキャッチコピーでデビューした河合奈保子と共演。13年にわたるCMシリーズは「抱きしめてジルバ」などのヒット曲で、西城さんがアダルトなイメージに変わっていく85年まで続いた。

 全日本カレー工業協同組合の資料によると、日本のカレールーの生産量は、73年には約6万トンだったが、85年には8万5000トンまで伸びた。バーモントカレーは50周年を迎えた2013年時点で、カレールー全体の市場の約3割を占めていたという。

 商品の知名度も売り上げもアップさせた“恩人”に、ハウス食品は「在りし日のお姿をしのび、心からご冥福をお祈りいたします」とコメントした。

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