朝丘雪路さん、夫・津川雅彦残し82歳で死去…アルツハイマー型認知症で療養

スポーツ報知
朝丘雪路さん

 女優、歌手、舞踏家として幅広く活躍した朝丘雪路(あさおか・ゆきじ、本名・加藤雪会=かとう・ゆきえ)さんが4月27日に死去していたことが19日、分かった。82歳だった。葬儀・告別式は近親者で行った。1973年に俳優・津川雅彦(78)と結婚。2014年に夫の津川と娘で女優の真由子(44)と家族共演した舞台「花や…蝶や…」の出演を最後に芸能活動を休止していた。死因は不明だが、アルツハイマー型認知症で療養していた。

 愛嬌(あいきょう)たっぷりでおっとりとして「お嬢様キャラ」で、奔放な発言やキャラクターでお茶の間から親しまれた朝丘さんが、ひっそりと旅立った。1966年から約15年間、日本テレビ系「11PM」にレギュラー出演し、司会の大橋巨泉さん(16年死去、享年82)との軽妙なやりとりで人気を博した。「大変な世界だろうと思っていたら、楽しいじゃん。だから長く続いたと思う」。大橋さんが、朝丘さんの豊満な胸を「ボイン」と表現し、当時の流行語となった。番組時は、夫の津川にも作らないお弁当を持っていったほど大橋さんとは仲のいいコンビだった。

 日本画家・伊東深水を父に持ち、3歳から日舞を始めた。宝塚歌劇団を経て、映画、テレビ、舞台に幅広く出演。歌手としても「雨がやんだら」(70年)などのヒット曲を持ち、日本舞踊では85年に深水流を創設して家元となった。

 2011年には長年の功績がたたえられ、旭日小綬章を受章。「自由に楽しく今まで来ましたのに、その上ご褒美なんて」と朝丘さんらしい口調で喜びを語っていた。

 宝塚歌劇の100周年の記念公演にはOGとして駆けつけ、往年のスターらとともにステージを盛り上げた。宝塚への憧れを口にし、「(宝塚音楽学校には)父に頼んで裏口入学したの」と笑いを誘った。

 夫・津川とも、おしどり夫婦としても知られ、津川の母とのエピソードをつづった著書「嫁姑『赤の他人やほっちっち』」も話題を呼んだ。

 ◆朝丘 雪路(あさおか・ゆきじ、本名・加藤雪会=かとう・ゆきえ)1935年7月23日、東京都生まれ。父は日本画家の伊東深水。51年山脇学園中等部卒業。52年、宝塚歌劇団入団。55年、松竹入社。数々の青春ドラマなどに出演。59年の退社後は歌や舞台にも進出。66年、日本テレビ系「11PM」で大橋巨泉とコンビを組み「ボイン」の愛称でお茶の間の人気者になった。73年に俳優の津川雅彦と結婚。その後も歌手、女優、舞踊家として多彩な活動を見せた。

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