是枝裕和監督に“世界のキタノ”から自伝的小説の映画化ラブコール「ありがたい」
第71回カンヌ国際映画祭で最高賞の「パルムドール」を獲得した「万引き家族」(6月8日公開)の是枝裕和監督(55)が31日、大阪市内で同作の取材会を行った。
会見場にトロフィーとともに登場した是枝監督は、出演者へのトロフィーお披露目について「直接手渡しできているのはリリー(・フランキー)さんだけですね」。主演女優の安藤サクラ(32)が次期NHK朝ドラ「まんぷく」の撮影で大阪に滞在中だが、この日はロケということもあり「行くと邪魔だもんね」と残念そう。
生計を立てるため、万引きにも手を染める疑似家庭の物語。虐待されている少女を“誘拐”して、我が子のように愛情をかけるヒロイン・信代を演じた安藤のリアルな演技を、是枝監督は「リリーさんは『化け物だ』って言ってました。僕も撮りながら、なぜこんな表現、表情が出てくるのかと、ため息が漏れました。瞬間、瞬間、神々しいような美しさを目の当たりにした。スゴイ」と絶賛した。
それだけに安藤の「まんぷく」についても「朝ドラを見る習慣はないんですが、安藤サクラ、広瀬すず(「なつぞら」)と続くので、これは見ない訳にはいかない」と、「海街diary」「三度目の殺人」でヒロインを務めた広瀬まで続く“是枝組リレー”を楽しみにしていた。
パルムドール獲得による今後の展望は「止まっている企画が動けばいいかな。4つぐらいありますね」。フランスのプロデュース会社がカトリーヌ・ドヌーブ(74)主演によるコメディータッチの映画「カトリーヌの真実」(仮題)になると発表したが、ドヌーブ起用は否定しなかったものの「まだ正式発表前なのに、身内がしゃべって、よく分からない。コメディーじゃないんですよ。来月にはパリに渡るので、そのタイミングで改めて」と苦笑しながら説明した。
また、30日には“世界のキタノ”ビートたけし(71)から自伝的小説「フランス座」の映画化、監督のラブコールがおくられたが「ありがたい。すごく尊敬する役者、映画人。色気がある。撮れるんなら撮りたいですが、一緒にやるとなると簡単な事じゃないですね」と慎重だった。