樹木希林、パルムドール受賞は「偶然じゃない」と祝福

スポーツ報知
是枝裕和監督に支えられて、つえをついて登壇した樹木希林

 第71回カンヌ国際映画祭で最高賞「パルムドール」を受賞した、是枝裕和監督(56)が手がけた映画「万引き家族」の公開記念舞台あいさつが9日、都内で開催され、是枝監督、俳優のリリー・フランキー(54)、女優の安藤サクラ(32)、樹木希林(75)らが登壇した。

 東京の下町を舞台に、万引きなど軽犯罪で生計をたてる家族を描く。日本映画の同賞獲得は今村昌平監督の「うなぎ」(1997年)以来21年ぶりで5作目。パルムドール受賞後、万引き家族を演じた、主要キャスト6人と是枝監督が勢ぞろいするのは、この日が初めて。

 歴史的快挙にキャスト陣も興奮を隠せず、樹木は「こういう形で初日を迎える、幸せな映画はないと思います。めったにあるもんじゃない」とあいさつ。続けて「カンウは世界中の映画の関係者が集まる、すごいところ。その中であんな貧しい映画がひょいっと賞を獲れるのは偶然ではない。監督の貧しさにかけては右に出る人はいない。それを認めさせたのは快挙」と“樹木希林節”で祝福した。

 一方、安藤も「監督だけでなく、ここにいる方たちはみんな、すごいんだけど納豆ご飯みたいな人」と独特な表現をし、「この家族と過ごした時間は短くて穏やかなのに、所々、爆発が起きて、感覚がおかしくなりそう」と大興奮した。

 是枝監督にはとびっきりのサプライズが用意されていた。子役の佐々木みゆ(6)が段ボールで手作りしたパルムドール像を手渡されると、「本物はプロデューサーにあげて、僕はこっちをもらいます」と、この日一番の笑み。「納豆ご飯のような映画です。見る度に味わい方が違うと思う」と安藤の表現を用いて、アピールした。

 また、是枝監督が書き下ろした、同作の小説版は、発売前に重版が決定。5月28日に発売され、わずか10日で10万部を突破した。是枝監督は「気合を入れて書き下ろした甲斐(かい)がありました。映画とともに楽しんでください」とコメントを寄せた。

 この他に、松岡茉優(23)、池松壮亮(27)、城桧吏(じょう・かいり=11)が参加した。

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