海老蔵“特製・麻央さんカレー”1500人に振る舞った

スポーツ報知
植樹イベントに参加した市川海老蔵(右)と(左から)勸玄君、麗禾ちゃん

 歌舞伎俳優の市川海老蔵(40)が24日、長野・志賀高原で植樹イベント「ABMORI」に長女・麗禾ちゃん(6)、長男・勸玄君(5)と参加した。乳がんのため亡くなり、22日に一周忌を迎えた妻・小林麻央さん(享年34)も関心を寄せていた同イベントは、今回で5回目。海老蔵は麻央さんとの思い出のカレー1000人前を参加者らに振る舞い、植樹活動を行ってきた麻央さんの遺志を受け継ぐことを改めて誓った。

 海老蔵はお手製の“愛情野菜カレー”を振る舞うために、前日に約9時間かけて1000人前を仕上げた。「芸能人は上辺だけとか言われますが、ガチでやってます」。1時間半以上かけて長蛇の列の参加者らに配布。ルーが予定量以上にでき上がったが、参加者も想定以上の約1500人が集結。1人前のルーの量を調整し、全員が笑顔で舌鼓を打った。

 特製カレー誕生は、病と闘う愛妻を支えるためだった。海老蔵は「麻央が闘病して食べ物が喉を通らないので、野菜スープを作ったのがきっかけ」という。「いっぱい作ったが麻央の食欲がなくなってきて、食べられなくなった。どうにか活用する方法はないかと思い、子供たちのためにカレーにしたら、意外とおいしかった。隠し味は愛情と野菜スープ」と自信ありげ。

 この日のプロジェクトは、地球温暖化防止活動に興味を抱いた海老蔵に、植樹活動を行っていた麻央さんが、植物生態学者の宮脇昭氏を紹介したことからスタートした。思い入れの強いイベントに「希望という光を植えている」と語った。

 妻を失い、1年。23日には、麻央さんの友人や仕事関係者を呼んで、しのぶ会を開いた。「悲しみを受け止める会になるので、私としては、やりたくはなかった」。複雑な心境を吐露したが、「人前で大きく悲しむことも、素直にできた」と振り返った。

 愛妻の遺志を継げず、葛藤を抱えたこともある。昨年の同プロジェクトでは、乳がん患者を支援する“麻央さん基金”設立を宣言。が、「正直、ネガティブなことを言う人もいる。そこを乗り越えるだけの材料や力がない」。麻央さんのブログの書籍化も頓挫した。書籍は完成したが、同様の理由で発表は取りやめた。

 挫折はあっても前を向いて進む。海老蔵は今年11月、福島県南相馬市で開催される植樹イベントにも参加する。「彼女がやっていたことは人として素晴らしいことが多い。彼女がおそらく幸せだと思ってくれる行動を私も継続してできるということは幸せ」。今の自分にできる最大限の力で麻央さんの遺志を紡いでいく。

 開会式の壇上で苗を持ち、「オオヤマザクラ!」と3度声を張り上げた勸玄君。舞台上での堂々とした振る舞いに、その日一番の拍手が起こった。家の庭に“カンカンガーデン”を作るほど植物を愛する少年で、海老蔵は「最近は“團十郎”と名付けた朝顔を育てています」と笑った。今年4月、「歌舞伎の道に進みたい」と宣言した勸玄君。すでに“團十郎”という花を咲かせていた。

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