杉良太郎、12回目のアジア国際子ども映画祭 目標は「30回」

スポーツ報知
最高賞の受賞者と写真に納まる杉良太郎

 歌手で俳優の杉良太郎(74)が名誉会長を務め、12回目を数える「アジア国際子ども映画祭」が24日、北海道・北見市民会館で開かれ、16か国・地域の子ども約330人が参加した。

 最低気温氷点下8・9度、雪の残った市内で、杉の言葉に熱がこもった。「30回」を大きな目標に設定。「もう少し応募作品数を増やして、丁寧に分析し、結果を活用する―ということが前提。まずは15回、次に20回とできればいい」と長期的な開催を示唆した。

 杉が、文部科学省などに働きかけて創設された同映画祭。小学生から高校生までを対象に、子どもたちがビデオカメラで撮影した3分間の作品を審査していく。作品から子どもたちの心理を把握し、青少年教育に役立てることを目的としているため、大学、研究機関と連携し、臨床心理士らが審査員に名を連ねているのが、大きな特徴だ。

 杉は、第1回からの“変化”を実感。「10年以上前のベトナムは靴も履けない(ほど貧しかった)し、近年はモンゴルが勉強熱心。日本の作品は素朴なものが多かったが、(心理が)複雑化してきた。まだまだ種をまいている状況だが、30年分の資料、分析結果が残れば(将来にとって)貴重だ」と力説した。

 今年は「自己責任」を作品のテーマにした。福祉活動59年の視点から「アジア諸国では『自己』が消えて『責任』をテーマにしたものが多かった。人のせいにする考え(の人間)が増えている」と指摘。「自分さえ良ければいい、と(いう風潮に)なったら世の中、砂漠やで…。福祉、ボランティアという言葉は壊滅する」と警笛も鳴らした。

 自身は来年芸能活動55周年を迎える。「コンサート中心の活動かな。(芸歴と同じ)55か所ぐらいでやる可能性がある」と話した。

 ◆川栄、若い子挑戦に「すごい」

 映画祭にはテーマ曲「Message」を歌うw―inds.、GENERATIONSらがゲスト出演した。初参加の川栄李奈(23)は「作り手の大変さが分かる。自分より若い子たちが挑戦していて、すごいと思った」。国内212、海外253作品の応募から、最高賞の杉良太郎特別賞にフィリピンのインターナショナル・クリスチャン・アカデミーの「私がやりました」が選ばれた。

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