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「バイキング」収録への潜入取材で見せつけられた坂上忍の「覚悟」

2017年12月23日11時0分  スポーツ報知
  • 俳優からバラエティーMCへの“越境”を「いい意味で、よそ者であることを利用させていただいている」と語った坂上忍

 俳優・坂上忍(50)がMCを務めるフジテレビ系「バイキング」(月~金曜・後11時55分)が好調だ。

 今月に入って平均視聴率5~6%をキープ。同時間帯の強力ライバル、日本テレビ系「ヒルナンデス」、TBS系「ひるおび!」と競り合い、今年7月6日の放送では、2014年4月1日の番組開始以来最高となる8・0%を記録。今年下半期だけで5回、同時間帯トップとなるなど、お昼の顔的番組になりつつある。

 伝説の番組「笑っていいとも」の後番組としてスタートも一時は視聴率1%台に低迷。打ち切りもささやかれたが、昨年4月、月曜のみのMCだった坂上を全曜日MCに据えた。

 番組のスタイルもその時々の芸能ゴシップ、政治、事件ネタなどに対し、ゲストやコメンテーターが坂上中心に意見をぶつけ合う「本音トークバトル」形式に変更して、V字回復。坂上自身の過激な発言が即座にネットニュースになるなど、注目を集める生番組となった。

 そんな、旬を迎えつつある「バイキング」初の特別番組「バイキング・ザ・ゴールデン 坂上忍が2017年ニュースの主役を直撃!あの騒動の真相&裏側初告白SP」が29日午後6時から5時間に渡って放送される。

 今回、東京・台場のフジテレビのスタジオで通常の「バイキング」生放送終了後に5時間に渡って行われた収録に潜入。坂上流の番組作りをじっくり観察させてもらった上で収録後、話を聞く機会を得た。

 インタビュー冒頭、2年半かけて人気番組に育ちつつある「バイキング」について、「時間をかけて、フジテレビさんにも我慢していただいて。今年ちょっとずつ裏番組さんと肩を並べられるくらいまで来ました」と笑顔を見せた坂上。

 この日の収録でも、ベテラン政治家・鈴木宗男氏(69)らを相手に、時にはおだて、時には真っ向から反論と変幻自在のトーク力で全く対等のやり取りを見せ続けた。

 MCとして日本有数の人気を誇るマツコ・デラックス(45)が坂上について語った言葉がある。「芸能界で一番すごいと思うのは坂上忍さん。私も結構、いろんなものを犠牲にしてテレビに向き合っていますけど、あの覚悟の仕方を見ていると、この人にはかなわないなと思う」―。

 確かに強面(こわもて)政治家相手に一歩も引かず、トークを回し、時にはディレクターより前に「ちょっと煮詰まった。5分間休憩しましょう」と率先して口にし、共演者を休ませる気配りぶり。ほんのわずかの休憩時間に前室(収録スタジオ横の休憩所)でタバコを手にぐったりとしながら前を見据える、その姿には鬼気迫るものを感じた。

 その時々の時事ネタを頭に入れた上で収録中、みずから口にする言葉の数々を強い覚悟のもと選択。抜群の反射神経で現場を回し、番組を面白くする。マツコの言う坂上の「覚悟」を現場で感じ取ったから、そのまま聞いてみた。

 「今日の収録でも坂上さんの覚悟の強さを感じた。過去には『明日やめてもいいという思いでやっている』とも発言している。その覚悟は『バイキング』開始以来、ずっと持ち続けているものなのか?」

 「変わらないですね、はい」。こちらの目を正面から見つめた坂上は、そう言い切った。「いい意味で、よそ者であることを利用させていただいている。よそからバラエティーの世界に来させていただいているんで、そこで当たり前のようにしがみついてもしようがないというか」―。

 4歳での子役デビューから数えると芸歴46年のベテラン俳優だが、バラエティーは専門外。だからこそ「よそ者」として、その世界にしがみつくことなく、毎日勝負ができる。全曜日のMCとして「覚悟」を持った上で言葉で勝負するという思いを持って―。

 前室でも前を見据えて口を動かし、言葉を探っている姿を見たから、重ねて聞いた。「坂上さんが本気で言葉をぶつけるから、相手も本気の言葉で返すのでは?」

 「そうしないと、僕なんか、あしらわられちゃいますからね」。ニヤリと笑うと、「とにかくしゃべりで埋めようということ。いろいろな事件であるとか、不倫とか、いろいろなものがありますけど、どんなものに対しても情報で埋めるのではだめ。情報も大事なんだけど、それに対して、出ている人たちが合ってようが間違ってようが、どう感じているのかっていうのを言葉に出していただくことで埋めていこうっていうスタンスなので。まあ、それが受け入れられているかどうかは僕はちょっと分からないんですけど、面白がってはいただけているのかなっていう気はします」そう照れ笑いしながら続けた。

 「すみません。いつもありがとうございます。なにとぞ一つ、よろしくお願い致します」。その日の「バイキング」生放送開始から数えると、10時間以上の収録を終えた坂上が、こちらに頭を下げて、そう言うので思わず言った。

 「一見(いちげん)の記者にもそういう感謝の姿勢で接し、本気で番組を続ける限り、『バイキング』の数字(視聴率)は落ちないんじゃないですか?」―。

 50歳にして芸歴46年。芸能界の隅々まで知り尽くしたMCのニヤリと笑っての返答は「そんな天狗にはなれません。はい」だった。(記者コラム・中村 健吾)

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