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「ポーの一族」で快幕!星組の“地獄”に注目!? 104周年・タカラヅカ展望

2018年1月2日16時0分  スポーツ報知
  • 宝塚歌劇2018年開幕を飾った花組「ポーの一族」の一場面。左からエドガー(明日海りお)、メリーベル(華優希)、シーラ(仙名彩世)、フランク(瀬戸かずや)

 宝塚歌劇が元日に始動。104周年のスローガンは「その一瞬に想いを込めて―」。今年はどんな“一瞬”が積み重ねられるのか。東西の両劇場上演順に5組への期待をつづってみたい。

 【花組】

 「ポーの一族」は、いきなり今年のベスト公演候補に入った。明日海りおが、年老いず生き永らえるバンパネラ(吸血鬼)の少年を説得力十分に好演。危うい色気というか、宝塚があるべき“異空間”に誘い込まれた。「エリザベート」「ME AND MY GIRL」など再演作が多かったトップスターが、ついに語り継がれる代表作に巡り合ったか(記者は「金色の砂漠」も好きですが)。

 トップ5年目に入る5月の博多座公演「あかねさす紫の花」では、2番手の柚香光(ゆずか・れい)と役替わりする“実験”も。月組時代、龍真咲に次ぐ準トップとして下の立場から経験済み。柚香との“シンクロ”が未来につながるはずだ。

 【雪組】

 2日に東京宝塚劇場公演が開幕。新トップコンビ・望海風斗(のぞみ・ふうと)&真彩希帆(まあや・きほ)が、ともに地元の関東で実力者ぶりを発揮する。新コンビの魅力は、やはり歌。若手も追随すれば、ますます面白い組になる。

 ちなみに先日、近藤真彦を取材する機会があり、代表曲「アンダルシアに憧れて」がショーで使われていることを伝えると「えっ!? めちゃくちゃ、うれしい。ウチのかみさんが喜びますね、宝塚ファンなので」と笑顔。マッチに望海の美声を聞いてもらいたい。

 3、4月は全国ツアーで「誠の群像」、朝美絢(あさみ・じゅん)のバウホール主演作「義経妖狐夢幻桜」を上演。“日本物の雪組”の進化ぶりも楽しみだ。

 【月組】

 若きトップ・珠城りょうは3月にようやく丸10年に。他組とはバランスの違う組構成が味わいで、いい意味で今一番“何が飛び出るか”の未知の魅力がある。

 気になるのは大劇場始動作のショー「BADDY」。珠城は、月から地球にやってくるヘビースモーカー役だとか。「星逢一夜」以来、絶好調の上田久美子氏のショー初演出作。「PUCK」(14年)の暴れん坊ボビー役では突き抜けきれなかった珠城がハチャメチャぶりを新味に加えれば、おとなしく映る組の印象も覆る。

 【宙組】

 誕生20周年の記念イヤーを新トップコンビ・真風涼帆&星風まどかが引っ張る。真風は昨年暮れの「タカラヅカスペシャル」で、星組・紅ゆずるを除くトップや専科・轟悠と並び立ったが、背の高さ(175センチ)は際立っていた。

 これがイコール「男役の大きさ」になれば鬼に金棒。花組から移った芹香斗亜(せりか・とあ)、愛月ひかるも、ともに173センチの長身。迫力ある男役トリオは、宝塚初心者も目を見張る“売り”になる。お披露目のショー「シトラスの風」の「明日へのエナジー」が楽しみで仕方ない。

 【星組】

 個人的に興味津々なのが4~7月上演の「ANOTHER WORLD」。亡き人国宝の落語家・桂米朝さんの大ネタ「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」などをベースに、あの世へ案内してくれるという。まさに異空間。えんま大王役は、やはり専科のベテラン? 人呑鬼(じんどんき)は出る? 落語好きとして、配役を想像するだけでワクワク。

 コメディーセンスあふれるトップスター・紅ゆずるの腕の見せどころだ。記者が飽きずに聞いている桂吉朝さん(故人)の「地獄―」は時事ネタが飛び出るが、毎回、旬なアドリブもあるに違いない。ライブ感で鍛え上げられ、若手の中から、9年目のスター・瀬央ゆりあに続く大躍進が見たい。

 タカラヅカ全体の、何よりの期待は「見たい人が観劇できる」ようになること。転売の温床のひとつだった「チケットキャンプ」がこのほど閉鎖。それだけで問題解決にはならないが、少しでも正常に近づくことを望みたい。(記者コラム・筒井 政也)

宝塚歌劇

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