美弥るりか、初の単独主演作「瑠璃色の刻」で“妖しさの新ジャンル”表現

2017年5月10日7時0分  スポーツ報知
  • 瑠璃色に近い、青のいでたちが爽やかな月組スター・美弥るりか

 宝塚歌劇月組2番手スター・美弥(みや)るりかが、外部劇場初の単独主演作「瑠璃色の刻(とき)」(作&演出・原田諒)で「妖しさの新ジャンル」を表現している。大阪公演を7日に終え、東京・赤坂ACTシアター(13~21日)に乗り込む。“伝説の予言者”に成りすました青年シモンの野望と苦悩を描き、「『美弥るりか』と本名の自分との関係ともリンクする」と話す入魂のステージ。入団15年目の心境を聞いた。(筒井 政也)

 今年の始動作「グランドホテル」で余命わずかな老会計士・オットーを好演した美弥が、今度は不老不死の怪人を装う若者を演じる。題名は「瑠璃色」でも、豊かな表現力は「極彩色」だ。

 18世紀のヨーロッパを席巻したとされる魔術師サン・ジェルマン伯爵にうり二つの役者シモンが、富と名声を得るため、本人を名乗って宮廷に乗り込むが…。「妖しい役が似合うとよく言われますが、自分の中では新ジャンル。いろんな可能性を引き出してくださり、恵まれてますね」と笑顔。

 普通の青年が妖しげな人物に成りきろうとする“芝居内の芝居”が新味。「サン・ジェルマンとして認められることに快感を得て、突っ走る。二役ではないですが、目の色も声の色も変えて」。“二つの顔”の使い分けが見どころだ。

 そしてシモンは、自分を見失っていく。タカラジェンヌも「本名の自分」が芸名をまとい、さまざまな役に変わるが…。「似ているかも。『美弥るりか』ばかりいろんな経験を積んで、本名の自分は何も得てないのでは?と、ふと思うことも」と不思議な感覚があるそうで「家に帰っても役のことを考えていて、本名に戻る瞬間がない。寝る瞬間ぐらい?」。下級生時代は気分転換を心がけて「芸名5・本名5」の配分だったが「今は9・8対0・2(笑い)」。多忙なスターの宿命か。

 しかし、無理をしているわけではない。「普段は、関西の方のテンポでは話せない(苦笑)」が、ファンとの交流会などで冗舌になるのも「たくさんの方が私なんかのために会いに来てくださり『ワッ!』ってなっちゃう。その気持ちに応えなければ…と。苦ではなくて、当たり前です」。この姿勢こそが愛される理由。美弥るりかの素顔だろう。

 星組から月組に移り、5年目。「月組に来た時、個人力の高さに刺激を受けました。下級生の踊りや歌に圧倒されて『ヤバイ』(笑い)」と分岐点を振り返る。

 以来、鍛錬を重ねて、2番手に昇格。「羽を背負ってズシッときた瞬間、ギュッと心が締め付けられた」と責任の重みを痛感したが「芝居に関しては姿勢は一緒です」。立場を意識しない“自然体”を強調した。

 老体のオットーの経験も大きい。「必要だったのは『魂』だけ。男役と思わず、人間として役に向き合うべきだと気づくことができたかな」。新境地を開いた努力家は「これからも『美弥さんなら、こんな個性的な役も演じてもらえるだろう』と、信頼されるようになりたい」と意欲的。「瑠璃色」を経て、また新色が加わる。

 ◆美弥 るりか(みや・るりか)9月12日生まれ。茨城県古河市出身。2003年4月「花の宝塚風土記」で初舞台。89期生。星組から12年に月組に組替え。14年に同期・凪七瑠海(現・専科)と「THE KINGDOM」で外部劇場ダブル主演。16年9月の珠城りょうのトップスター就任に伴い、2番手に昇格した。身長168センチ。愛称「るりか」「みやちゃん」。

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