武藤敬司、プロレス人生最後の月面水爆で勝利「さよならムーンサルトプレスだ」

スポーツ報知
河野にムーンサルトプレスを決める武藤敬司

◆WRESTLE―1TOUR2018TRANS MAGIC(14日、後楽園ホール)

 プロレスラー・武藤敬司(55)がプロレス人生最後のムーンサルトプレスを決めた。今月末に両膝に金属製の人工関節を埋め込む手術を行う武藤は、スペシャル8人タッグマッチに出場しムーンサルトプレスで河野真幸(37)をフォール。今月末に手術し年内いっぱいは欠場するが、復帰後はムーンサルトはドクターストップがかかっているため、最後の月面水爆を勝利で飾った。

 武藤が万感を込めて宙を舞った。トップロープからバック転。月面水爆が河野に炸裂だ。最後のムーンサルトを華麗に決めた。試合後、マイクを持ちパートナー、対戦相手のすべてに「ありがとな。元気もらったよ」と感謝。満員の観客に「プロレス休みますが、必ずこのリングに戻ってきますので、新生武藤敬司を待っていてください」と絶叫。バックステージで「かろうじて最後ムーンサルトで締めることできたけど、昔と比べたら跳躍力ないし、もしかしたら不格好かもしれないけど、気持ちのこもったムーンサルトだったと思います」と振り返り「武藤敬司に悔いなし。ムーンサルトにバイバイ。さようならムーンサルトだ」と万感を込めた。

 1984年10月のデビューから激闘の連続で両膝を酷使。中でも必殺技「ムーンサルトプレス」の多用で膝は変形しこれまで何度も手術してきた。数年前には人工関節を入れることも考えたが「人工関節を入れたらプロレスをやめろということ」で見送った。しかし、昨年末にNBAや、スキーの選手に人工関節を入れる手術を施し、再び競技復帰させた実績を持つ医師と出会い「人工関節を入れてもプロレスができるということだったので、手術を決断した」と55歳にして大きな決断を下した。

 術後は、2~3週間は入院し年内いっぱいは欠場となる見込みだ。ただ、復帰しても膝に大きな負担がかかる必殺技の「ムーンサルトプレス」は「お医者さんに手術が成功してもやっていけないと言われた」とドクターストップがかかっている。デビューから、これまで33年あまり、自身の代名詞でもあった必殺技に「これなくしてオレははい上がれなかった。こんな大きな体でムーンサルトやっているから、こいつ運動能力あると思って一番最初に海外に出たし。海外行ってもこの技でトップまではい上がることができた」と振り返った。

 化身のグレート・ムタが25日のDDT・両国大会に参戦するが、「武藤敬司」としての月面水爆は最後。来年の復帰までリハビリは過酷を極めることが予想されるが「今日のファンから元気をもらいました。ファンからいただいた元気を返すのがプロレスラー。これからは何とかムーンサルトがなくても今までの経験から何とか頑張ります」と約束していた。

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