“耳の聞こえないキックボクサー”郷州征宜、夢は「K-1王者」&「ろうの子供たちも通えるジム開設」

スポーツ報知
郷州征宜

 立ち技格闘技イベント「Krush」スーパー・フェザー級王者の郷州征宜(32)=K―1ジム総本部チームペガサス=が5日、神奈川県内で講演会を行った。

 生まれながらにして難聴の障がいを抱える郷州は昨年10月、Krush.81(後楽園ホール)で第5代王者・安保璃紅(20)=team ALL―WIN=とのタイトルマッチに勝利し、悲願のベルトを手にした。

 その勢いのまま、3月21日に開催された「K―1 WORLD GP 2018 JAPAN ~K’FESTA.1~」第4代スーパー・フェザー級王座決定トーナメントに乗り込むも、準決勝でK-1のエース・武尊(26)=K―1 GYM SAGAMI―ONO KREST=と対戦しKO負けを喫した。

 武尊の母親は鳥取で手話通訳をしていて、1年前くらいに先に声を掛けてきたのも武尊の母親からだという。“耳の聞こえないキックボクサー”は「武尊選手との対戦は何度もできるものではないと思っています。でも、また挑戦できるようなレベルに駆け上がっていきたいです」と語り、「武尊選手とのタイトルマッチを制してK-1のベルトを巻きたいです」と熱望した。

 郷州の夢は2つあるという。1つ目はK-1王者。「これから王者を目指そうと言うと、バカにする人もいますけどそういう声は大歓迎」とニヤリ。「そういう人たちがいるから見返してやとうと頑張れます」と言い切った。

 2つ目は「自分のジムを開くこと」と明かした。郷州は、ろう学校へ訪問も積極的に行っている。「健常者もろうの人たちも通うことが出来るジムにしたい。そこから、私に続いてろうの子供たちがチャンピオンになってくれたらうれしいです」と笑顔を見せた。(松岡 岳大)

 ◆郷州 征宜(ごうしゅう・まさのぶ) 神奈川・秦野市生まれ、32歳。172センチ。第6代・Krush60キロ級王者。生まれつき難聴の“耳の聞こえないキックボクサー”。東海大甲府高校在籍時に甲子園出場。同大会にはダルビッシュ有(東北高)なども出場している。卒業後に格闘技の道へ進み、2016年4月K―1初参戦。その後はKrushを主戦場にし、17年10月Krush60キロ王座に就いた。戦績31戦24勝(7KO)7敗0分。

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